炭治郎 夢小説。 蝶を守り抜く日輪

鬼の王 竈門炭治郎

炭治郎 夢小説

無惨と遭遇した炭治郎 鬼を倒した炭治郎は浅草を訪れた。 浅草は無数の人が行き交っていたが、その中で炭治郎は嗅いだことがある匂いを見つける。 それは、炭治郎の家族を殺害した無惨の匂いだった。 炭治郎は人混みの中から無惨を探し当てる。 無惨は人間の妻と子供と一緒に歩いていた。 炭治郎は無惨が人間に成りすましている事に驚愕する。 無惨は何も知らない顔をしながら、道ゆく人を鬼にして騒動を起こした。 炭治郎は周囲の人に襲いかかろうとする鬼を取り押さえるが、その間に無惨は遠くに行ってしまった。 炭治郎は「鬼舞辻無惨!俺はお前を逃さない!どこへ行こうと地獄の果てまで追いかけて必ずお前の頸に刃を振るう!絶対にお前を許さない!」と叫んだ。 無惨は炭治郎が身に付けている耳飾りを見て表情を変えていた。 無惨はかつて、炭治郎と同じ耳飾りを身に付けた剣士に追い詰められたことがあった。 無惨は配下の鬼に炭治郎の頸を持ってくるように命じた。 無惨に敵対する鬼・珠世と愈史郎 その後、憲兵隊たちがやって来て、炭治郎を鬼から引き離そうとしていた。 炭治郎は拘束具を持ってくるように言うが、憲兵隊は聞き入れようとしなかった。 炭治郎が「やめてくれ!この人に誰も殺させたくないんだ!邪魔をしないでくれお願いだから!」と叫んだ。 その時、異様な匂いが周囲に蔓延し、花の幻覚が見えた。 そして「あなたは鬼となった者にも「人」という言葉を使ってくださるのですね。 そして助けようとしている。 ならば私もあなたを手助けしましょう。 」と言って女性と男性が現れた。 二人は珠世と愈史郎といい、無惨に敵対する鬼だった。 炭治郎は禰豆子を連れて珠世たちが隠れている屋敷へと向かった。 珠世はかつて無惨に鬼にされた事で夫を殺害してしまっていた。 今は身体を弄って少量の血を飲むだけでいい身体にしていた。 そして愈史郎は品詞となっていた時に珠世に出会い、生き長らえる為に珠世に鬼にしてもらっていた。 炭治郎は珠世に禰豆子を人間に戻す方法があるか聞いた。 すると珠世はどんな病にも治療法はあると言った。 しかし、現時点では鬼を人に戻すことができなかった。 珠世はその手法を見つける為に、禰豆子の血を調べる事と、無惨の血が濃い鬼から血液を採取する事を炭治郎に頼み、炭治郎はそれを了承した。 その時、無惨が差し向けた朱紗丸と矢琶羽という鬼が現れた。 炭治郎は矢琶羽と、禰豆子と珠世たちは朱紗丸と戦うことになった。 矢琶羽は矢印の血鬼術を使った。 矢琶羽が作り出す矢印に触れた物体は、矢印が示す方向に引っ張られた。 炭治郎はその矢印が見えておらず、壁や地面に打ち付けられた。 しかし、愈史郎の助力によりその矢印を視認することができるようになり、炭治郎は矢琶羽を倒した。 朱紗丸は珠世の血鬼術により無惨の名前を喋らされ、死亡した(無惨の血には呪いがあり無惨の名前や情報を話すと死に至る)。 鬼に居場所が割れたことにより、危険を感じた珠世たちは浅草を離れることになった。 珠世は禰豆子を預かることを提案したが、炭治郎は禰豆子と離れることはしなかった。 善逸との再会 炭治郎は任務地に行く途中、女性にすがりつく男を発見する。 炭治郎は嫌がる女性を見て男を止めた。 男は炭治郎の事を知っているようだったが、炭治郎は全く身に覚えがなかった。 その男は我妻善逸といい、炭治郎と同期の鬼殺隊の剣士だった。 炭治郎は最終選別試験の時に会っていたが、全く覚えていなかった。 善逸は臆病で女好きな性格をしていた。 善逸が任務に行く途中に恐怖からうずくまって泣いていると、それを心配した女性が善逸に声をかけた。 すると善逸は女性が自身に気があると思い込み、求婚していたのだ。 善逸は、自身を止めた炭治郎に「お前責任とれよ!お前のせいで結婚できなかったんだから!」と恨み言を言った。 それを聞いた炭治郎は軽蔑したような目で善逸を見た。 そして炭治郎は善逸と一緒に任務へ向かった。 向かった先には一件の屋敷があった。 屋敷の外には正一とてる子という兄妹がいた。 炭治郎が二人に話を聞くと、兄がこの屋敷に住まう鬼に攫われたとの事だった。 炭治郎は禰󠄀豆子が入った箱を正一とてる子の元へ残し、善逸と一緒に屋敷の中に入って行った。 しかし、禰󠄀豆子が箱の中に微かに動いていることに恐れた正一とてる子が屋敷に入ってくる。 炭治郎は兄妹を外に出そうとするが、突然部屋が切り替わり、善逸と正一とはぐれた。 炭治郎が突然の自体に驚いていると、そこに響凱という名の鬼が現れる。 響凱は無惨直属の配下の鬼である十二鬼月の元メンバーだった。 響凱は人間を喰えずにこれ以上強くなれず、無惨から十二鬼月から外されていた。 その為『稀血(人間50人分にも値する稀少な血を持つ人間)』の人間を喰って十二鬼月に返り咲こうとしていた。 正一とてる子の兄は稀血だった。 しかし、響凱の屋敷に他の鬼もやって来てしまい、稀血を求めて争いが起きた。 その時に正一たちの兄は響凱の身体から生えている鼓の一つを手に入れた。 その鼓を叩くと屋敷の部屋を入れ替える事ができた。 炭治郎が突然違う部屋へ移動したのは正一たちの兄が鼓を叩いたからだった。 突如現れた伊之助 響凱は身体から生えている鼓を叩くと、部屋を回転させたり、斬撃を発生させたりする血鬼術を使用する事ができた。 炭治郎はぐるぐると回る部屋の中で響凱と戦っていた。 すると突然、猪の被り物を身に付けた男が乱入してきた。 その男は二本の日輪刀を持っていた。 炭治郎は鬼殺隊の仲間かと思ったが、その男はてる子を容赦なく踏みつけにした。 それに怒った炭治郎が男を投げつけると、その男は嬉しそうに炭治郎に斬りかかってきた。 その後、炭治郎は響凱に加えて猪の被り物をつけた男と戦った。 しかし、その途中で再び部屋が切り替わった。 炭治郎は屋敷を捜索して正一たちの兄を見つけ出した。 そこに響凱がやって来るが、炭治郎は部屋を切り替えさせててる子とその兄を逃した。 そして響凱と戦闘を始める。 炭治郎はここに来る前の銭湯により負傷しており、動きが鈍かった。 回転する部屋に加え、高速で放たれる斬撃に炭治郎の身体は悲鳴をあげていた。 しかし、炭治郎は戦いの中で痛みが少ない動き方を見つけ、響凱を倒した。 炭治郎が痛みが少ない動き方を見つけたのは、小説の原稿を踏まないように避けたことがきっかけだった。 その小説は、鬼になる前の響凱が書いた物だった。 響凱は自身が書いた小説を馬鹿にされ、鬼となってその者を殺害していた。 響凱は消える前に「小生の…血鬼術は…凄いか…。 」と炭治郎に聞いた。 それに対し、炭治郎は「凄かった。 でも、人を殺したことは許さない。 」と答えた。 響凱は「…そうか。 」と言って消えていった。 屋敷の外に出た炭治郎は、屋敷で会った猪の被り物をした男が、禰󠄀豆子の入った箱を守る善逸を殴りつけるのを目にした。 猪の被り物をつけた男は嘴平伊之助という名の鬼殺隊の隊士であった。 伊之助は箱の中から鬼の気配を感じ取り、禰󠄀豆子を殺害しようとしていた。 善逸は箱の中身が鬼だと知りながら、炭治郎が大切な物と言っていた事から箱を守っていた。 炭治郎は怒り心頭となり伊之助と戦いを始める。 そして炭治郎は伊之助の肋を折り、頭突きにより失神させた。 その後、炭治郎は善逸、伊之助と一緒に傷を癒した。 そして行動を共にするようになる。 操られる鬼殺隊の隊士たち 炭治郎は指令により善逸、伊之助と共に那田蜘蛛山へと向かう。 那田蜘蛛山へ着くと一人の鬼殺隊の隊員が助けを求めていた。 炭治郎たちは即座に駆け寄るが、その者は何かに引き寄せられるように山の中に消えていった。 炭治郎は怯える善逸をおいて伊之助と一緒に山に入った(善逸は炭治郎が禰󠄀豆子を連れていった事に気付いて後から山に入った)。 那田蜘蛛山には下弦の陸である累がいた。 累は家族の絆に飢えた鬼で鬼たちと擬似的な家族関係を築いていた。 山の中には多くの鬼殺隊の隊員がいた。 しかし、それらの隊員は『母』の鬼が使う糸により操られていた。 隊員たちは自身を殺すように言い、伊之助はその通りにしようとした。 しかし、炭治郎はそれを止め、木の上に投げて糸を絡ませる事で隊員たちが行動できないようにした。 しかし、それを知った『母』の鬼は隊員たちの首を追って殺害した。 炭治郎はそれに対し怒りの表情を見せた。 伊之助の並外れた触覚で『母』の鬼を探し当て、炭治郎は『母』の鬼の頸に迫った。 その時、『母』の鬼は炭治郎の方に手を伸ばし、死を受け入れるような素振りを見せた。 『母』の鬼は累からの強制的に顔を変えられ、暴力を振るわれながら『母』を演じさせられていた。 『母』の鬼は死んで累から逃れようとしていた。 『母』の鬼が死を受け入れたのを察した炭治郎は、痛みを与えない『水の呼吸 伍ノ型 干天の慈雨』を使用した。 『母』の鬼は炭治郎の優しい目を見て、人間だった頃の記憶をかすかに思い出した。 そして「十二鬼月がいるわ。 気をつけて…!」と告げて消えていった。 山を進む炭治郎と伊之助の前に『父』の鬼が現れる。 『父』の鬼は凄まじい腕力の持ち主で、さらに皮膚が硬く、日輪刀が通らなかった。 炭治郎は伊之助と力を合わせて戦うが、『父』の鬼は木で炭治郎を殴りつけて吹き飛ばした。 炭治郎は吹き飛ばされながら「俺が戻るまで死ぬな!」と伊之助に叫んだ。 仲間の鬼を傷つける累を見た炭治郎 炭治郎はすぐさま伊之助の元へ戻ろうとするが、そこで二人の鬼を見つける。 それは累と『姉』の鬼だった。 累は『姉』の鬼を傷つけていた。 それを見た炭治郎が「何してるんだ…!仲間じゃないのか!」と言うと累は「仲間?そんな薄っぺらなものと同じにするな。 僕たちは家族だ。 強い絆で結ばれているんだ。 」と話した。 それに対し、炭治郎は「家族も仲間も強い絆で結ばれていればどちらも同じように尊い。 血のつながりがなければ薄っぺらだなんてそんなことはない!それから強い絆で結ばれている者は信頼の匂いがする!だけど、お前たちからは恐怖と、憎しみと、嫌悪の匂いしかしない!こんなものを絆とは言わない!紛い物…偽物だ!」と告げた。 累は憤怒の表情で「お前いま何て言ったの?」と炭治郎に聞いた。 炭治郎は凄まじいプレッシャーを感じながらも「何度でも言ってやる。 お前の絆は偽物だ!」と告げた。 その後、炭治郎は累と戦い始める。 炭治郎は累が使う糸を断ち切ろうとするが、累の糸は凄まじい硬度で、逆に炭治郎の日輪刀が折れてしまう。 そして炭治郎は累に成す術がなく累の糸に取り囲まれてしまう。 その時、禰󠄀豆子が累の糸から炭治郎を庇った。 それ見た累は「妹は兄を庇った…。 身を挺して…。 本物の絆だ!欲しい…!」と言って打ち震えた。 そして累は「坊や。 話をしよう。 僕はね、感動したんだよ。 君たちの"絆"を見て。 体が震えた。 この感動を表す言葉はきっとこの世にないと思う。 でも君たちは僕に殺されるしかない。 悲しいよね。 そんなことになったら。 だけど回避する方法が一つだけある。 君の妹を僕に頂戴。 大人しく渡せば命だけは助けてあげる。 」と炭治郎に話した。 しかし炭治郎がそれを了承するはずもなかった。 累は十二鬼月の証である目を見せ、炭治郎を殺して禰󠄀豆子を奪うと宣言した。 父の『ヒノカミ神楽』を見ている炭治郎 累は一瞬のうちに糸で炭治郎から禰󠄀豆子を奪った。 炭治郎は禰󠄀豆子を取り戻すために立ち向かい、『水の呼吸 拾ノ型 生生流転』を繰り出した。 『生生流転』は回転しながら剣を振るう技であり、回転する毎に威力が増した。 その技で炭治郎は累の糸を断ち切ることができた。 しかし累は「ねぇ。 糸の強度はこれが限界だと思ってるの?」と言い、糸に血を纏わせてさらに硬度をあげた。 そして炭治郎を糸で取り囲んだ。 炭治郎はこれまでと違う糸の匂いから、自身では糸を斬れないことを悟った。 その時、炭治郎は走馬灯を見た。 炭治郎は「炭治郎、呼吸だ。 息を整えてヒノカミ様になりきるんだ。 」と話す父親・炭十郎の事を思い出していた。 炭治郎の家では、年の始めに『ヒノカミ神楽』という舞を神様に捧げるのが習わしだった。 幼き頃の炭治郎は「倒産は体が弱いのにどうしてあんな雪の中で長い間舞を舞えるの?俺は肺が凍りそうだよ。 」と炭十郎に尋ねた。 炭十郎は「息の仕方があるんだよ。 どれだけ動いても疲れない息の仕方。 正しい呼吸ができるようになれば炭治郎もずっと舞えるよ。 寒さなんて平気になる。 」と話した。 炭十郎は「炭治郎、この神楽と耳飾りだけは必ず途切れさせず継承していってくれ。 約束なんだ。 」と炭治郎に伝えた。 炭治郎は『ヒノカミ神楽』を使って累の糸を斬った 炭治郎は『水の呼吸』から『ヒノカミ神楽』へと切り替え、累の糸を斬った。 しかし、炭治郎は『水の呼吸』から『ヒノカミ神楽』に無理に切り替えた反動で、もうすぐ体が動けなくなることを察していた。 炭治郎は刺し違えても累を倒そうとした。 その時、累に出血させられて気絶していた禰󠄀豆子が目を覚まし、血鬼術『爆血』を使用し、累の糸を焼き切った。 そしてその隙に炭治郎は累の頸に日輪刀を振るう。 炭治郎の一撃では累の頸を斬れなかったが、日輪刀についていた禰󠄀豆子の血が爆発し、日輪刀が加速した。 そうして累の頸は落とされた。 炭治郎は『ヒノカミ神楽』を使った反動で動けなくなっていた。 必死に禰󠄀豆子の元へ炭治郎が這い寄っていると、背後から累の匂いがした。 累は炭治郎に頸を斬られる寸前で、自ら頸を切り離しており、死んでいなかった。 累は動くことができない炭治郎と禰󠄀豆子を殺害しようとした。 その時、冨岡義勇が応援に駆けつけた。 義勇は累の糸を難なく斬り捨て、頸を落とした。 累の身体から悲しみの匂いを感じ取った炭治郎 累は消える寸前にかつての記憶を思い出した。 鬼になる前、累は走ることができないほどに病弱だった。 そんな累の元に無惨が現れ、累は鬼になることで強い身体を手にいれた。 だが両親はそれを喜ぶ事なく、人を喰らう鬼となった累を殺そうとした。 累は自身の家族の絆が偽物だと思い、両親を殺害した。 しかし、それは誤りだった。 母親は命を落とす寸前「丈夫な体に産んであげられなくて…ごめんね…。 」と言っていた。 父親はただ累を殺そうとしていたのではなく、累の罪を背負って一緒に死のうとしていた。 家族の絆を断ち切ったのは累だった。 累はその事を忘れていて、ずっと家族の絆を求めていた。 累は消える寸前に炭治郎と禰󠄀豆子に手を伸ばした。 炭治郎は累の身体から抱えきれないほどの大きな悲しみの匂いがすることに気づいた。 そいて炭治郎は消えゆく累の身体に手を添えた。 累は「暖かい。 日の光のような優しいて。 思い出した。 はっきりと。 僕は謝りたかった。 ごめんなさい。 全部全部僕が悪かったんだ。 どうか許してほしい。 でも…山ほど人を殺した僕は…地獄に行くよね…。 父さんと母さんと…同じところへは…行けないよね…。 」と言った。 その時、累は両親の姿を見た。 両親は「一緒に行くよ。 地獄でも。 父さんと母さんは累と同じところに行くよ。 」と話した。 累は涙を流しながら「全部僕が悪かったよう!ごめんなさい!」と泣いて謝った。 そうして累は消えていった。 鬼を憐れむ炭治郎 義勇は累が来ていた着物を踏みにじり「人を喰った鬼に情けをかけるな。 子供の姿をしていても関係ない。 何十年何百年生きている醜い化け物だ。 」と話した。 それを聞いた炭治郎は「殺された人たちの無念を晴らすため、これ以上被害者を出さないため…勿論俺は容赦なく鬼の頸に刃を振るいます。 だけど、鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を踏みつけにはしない。 鬼は人間だったんだから。 俺と同じ人間だったんだから。 足をどけてください。 醜い化け物なんかじゃない。 鬼は虚しい生き物だ。 悲しい生き物だ。 」と話した。 その時、蟲柱の胡蝶しのぶが現れて禰󠄀豆子に斬りかかるが、義勇がそれを防いだ。 炭治郎は義勇の命令で禰󠄀豆子を担いで逃亡した。 しかし、炭治郎と同期の剣士である栗花落カナヲが現れ、炭治郎は気絶させられる。 カナヲは禰󠄀豆子を殺害しようとするが、その途中に炭治郎と禰󠄀豆子を殺さずに拘束するように伝令が入った。 炭治郎と禰󠄀豆子は拘束されて本部へ連れ帰られた。

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鬼化炭治郎 (おにかたんじろう)とは【ピクシブ百科事典】

炭治郎 夢小説

無惨と遭遇した炭治郎 鬼を倒した炭治郎は浅草を訪れた。 浅草は無数の人が行き交っていたが、その中で炭治郎は嗅いだことがある匂いを見つける。 それは、炭治郎の家族を殺害した無惨の匂いだった。 炭治郎は人混みの中から無惨を探し当てる。 無惨は人間の妻と子供と一緒に歩いていた。 炭治郎は無惨が人間に成りすましている事に驚愕する。 無惨は何も知らない顔をしながら、道ゆく人を鬼にして騒動を起こした。 炭治郎は周囲の人に襲いかかろうとする鬼を取り押さえるが、その間に無惨は遠くに行ってしまった。 炭治郎は「鬼舞辻無惨!俺はお前を逃さない!どこへ行こうと地獄の果てまで追いかけて必ずお前の頸に刃を振るう!絶対にお前を許さない!」と叫んだ。 無惨は炭治郎が身に付けている耳飾りを見て表情を変えていた。 無惨はかつて、炭治郎と同じ耳飾りを身に付けた剣士に追い詰められたことがあった。 無惨は配下の鬼に炭治郎の頸を持ってくるように命じた。 無惨に敵対する鬼・珠世と愈史郎 その後、憲兵隊たちがやって来て、炭治郎を鬼から引き離そうとしていた。 炭治郎は拘束具を持ってくるように言うが、憲兵隊は聞き入れようとしなかった。 炭治郎が「やめてくれ!この人に誰も殺させたくないんだ!邪魔をしないでくれお願いだから!」と叫んだ。 その時、異様な匂いが周囲に蔓延し、花の幻覚が見えた。 そして「あなたは鬼となった者にも「人」という言葉を使ってくださるのですね。 そして助けようとしている。 ならば私もあなたを手助けしましょう。 」と言って女性と男性が現れた。 二人は珠世と愈史郎といい、無惨に敵対する鬼だった。 炭治郎は禰豆子を連れて珠世たちが隠れている屋敷へと向かった。 珠世はかつて無惨に鬼にされた事で夫を殺害してしまっていた。 今は身体を弄って少量の血を飲むだけでいい身体にしていた。 そして愈史郎は品詞となっていた時に珠世に出会い、生き長らえる為に珠世に鬼にしてもらっていた。 炭治郎は珠世に禰豆子を人間に戻す方法があるか聞いた。 すると珠世はどんな病にも治療法はあると言った。 しかし、現時点では鬼を人に戻すことができなかった。 珠世はその手法を見つける為に、禰豆子の血を調べる事と、無惨の血が濃い鬼から血液を採取する事を炭治郎に頼み、炭治郎はそれを了承した。 その時、無惨が差し向けた朱紗丸と矢琶羽という鬼が現れた。 炭治郎は矢琶羽と、禰豆子と珠世たちは朱紗丸と戦うことになった。 矢琶羽は矢印の血鬼術を使った。 矢琶羽が作り出す矢印に触れた物体は、矢印が示す方向に引っ張られた。 炭治郎はその矢印が見えておらず、壁や地面に打ち付けられた。 しかし、愈史郎の助力によりその矢印を視認することができるようになり、炭治郎は矢琶羽を倒した。 朱紗丸は珠世の血鬼術により無惨の名前を喋らされ、死亡した(無惨の血には呪いがあり無惨の名前や情報を話すと死に至る)。 鬼に居場所が割れたことにより、危険を感じた珠世たちは浅草を離れることになった。 珠世は禰豆子を預かることを提案したが、炭治郎は禰豆子と離れることはしなかった。 善逸との再会 炭治郎は任務地に行く途中、女性にすがりつく男を発見する。 炭治郎は嫌がる女性を見て男を止めた。 男は炭治郎の事を知っているようだったが、炭治郎は全く身に覚えがなかった。 その男は我妻善逸といい、炭治郎と同期の鬼殺隊の剣士だった。 炭治郎は最終選別試験の時に会っていたが、全く覚えていなかった。 善逸は臆病で女好きな性格をしていた。 善逸が任務に行く途中に恐怖からうずくまって泣いていると、それを心配した女性が善逸に声をかけた。 すると善逸は女性が自身に気があると思い込み、求婚していたのだ。 善逸は、自身を止めた炭治郎に「お前責任とれよ!お前のせいで結婚できなかったんだから!」と恨み言を言った。 それを聞いた炭治郎は軽蔑したような目で善逸を見た。 そして炭治郎は善逸と一緒に任務へ向かった。 向かった先には一件の屋敷があった。 屋敷の外には正一とてる子という兄妹がいた。 炭治郎が二人に話を聞くと、兄がこの屋敷に住まう鬼に攫われたとの事だった。 炭治郎は禰󠄀豆子が入った箱を正一とてる子の元へ残し、善逸と一緒に屋敷の中に入って行った。 しかし、禰󠄀豆子が箱の中に微かに動いていることに恐れた正一とてる子が屋敷に入ってくる。 炭治郎は兄妹を外に出そうとするが、突然部屋が切り替わり、善逸と正一とはぐれた。 炭治郎が突然の自体に驚いていると、そこに響凱という名の鬼が現れる。 響凱は無惨直属の配下の鬼である十二鬼月の元メンバーだった。 響凱は人間を喰えずにこれ以上強くなれず、無惨から十二鬼月から外されていた。 その為『稀血(人間50人分にも値する稀少な血を持つ人間)』の人間を喰って十二鬼月に返り咲こうとしていた。 正一とてる子の兄は稀血だった。 しかし、響凱の屋敷に他の鬼もやって来てしまい、稀血を求めて争いが起きた。 その時に正一たちの兄は響凱の身体から生えている鼓の一つを手に入れた。 その鼓を叩くと屋敷の部屋を入れ替える事ができた。 炭治郎が突然違う部屋へ移動したのは正一たちの兄が鼓を叩いたからだった。 突如現れた伊之助 響凱は身体から生えている鼓を叩くと、部屋を回転させたり、斬撃を発生させたりする血鬼術を使用する事ができた。 炭治郎はぐるぐると回る部屋の中で響凱と戦っていた。 すると突然、猪の被り物を身に付けた男が乱入してきた。 その男は二本の日輪刀を持っていた。 炭治郎は鬼殺隊の仲間かと思ったが、その男はてる子を容赦なく踏みつけにした。 それに怒った炭治郎が男を投げつけると、その男は嬉しそうに炭治郎に斬りかかってきた。 その後、炭治郎は響凱に加えて猪の被り物をつけた男と戦った。 しかし、その途中で再び部屋が切り替わった。 炭治郎は屋敷を捜索して正一たちの兄を見つけ出した。 そこに響凱がやって来るが、炭治郎は部屋を切り替えさせててる子とその兄を逃した。 そして響凱と戦闘を始める。 炭治郎はここに来る前の銭湯により負傷しており、動きが鈍かった。 回転する部屋に加え、高速で放たれる斬撃に炭治郎の身体は悲鳴をあげていた。 しかし、炭治郎は戦いの中で痛みが少ない動き方を見つけ、響凱を倒した。 炭治郎が痛みが少ない動き方を見つけたのは、小説の原稿を踏まないように避けたことがきっかけだった。 その小説は、鬼になる前の響凱が書いた物だった。 響凱は自身が書いた小説を馬鹿にされ、鬼となってその者を殺害していた。 響凱は消える前に「小生の…血鬼術は…凄いか…。 」と炭治郎に聞いた。 それに対し、炭治郎は「凄かった。 でも、人を殺したことは許さない。 」と答えた。 響凱は「…そうか。 」と言って消えていった。 屋敷の外に出た炭治郎は、屋敷で会った猪の被り物をした男が、禰󠄀豆子の入った箱を守る善逸を殴りつけるのを目にした。 猪の被り物をつけた男は嘴平伊之助という名の鬼殺隊の隊士であった。 伊之助は箱の中から鬼の気配を感じ取り、禰󠄀豆子を殺害しようとしていた。 善逸は箱の中身が鬼だと知りながら、炭治郎が大切な物と言っていた事から箱を守っていた。 炭治郎は怒り心頭となり伊之助と戦いを始める。 そして炭治郎は伊之助の肋を折り、頭突きにより失神させた。 その後、炭治郎は善逸、伊之助と一緒に傷を癒した。 そして行動を共にするようになる。 操られる鬼殺隊の隊士たち 炭治郎は指令により善逸、伊之助と共に那田蜘蛛山へと向かう。 那田蜘蛛山へ着くと一人の鬼殺隊の隊員が助けを求めていた。 炭治郎たちは即座に駆け寄るが、その者は何かに引き寄せられるように山の中に消えていった。 炭治郎は怯える善逸をおいて伊之助と一緒に山に入った(善逸は炭治郎が禰󠄀豆子を連れていった事に気付いて後から山に入った)。 那田蜘蛛山には下弦の陸である累がいた。 累は家族の絆に飢えた鬼で鬼たちと擬似的な家族関係を築いていた。 山の中には多くの鬼殺隊の隊員がいた。 しかし、それらの隊員は『母』の鬼が使う糸により操られていた。 隊員たちは自身を殺すように言い、伊之助はその通りにしようとした。 しかし、炭治郎はそれを止め、木の上に投げて糸を絡ませる事で隊員たちが行動できないようにした。 しかし、それを知った『母』の鬼は隊員たちの首を追って殺害した。 炭治郎はそれに対し怒りの表情を見せた。 伊之助の並外れた触覚で『母』の鬼を探し当て、炭治郎は『母』の鬼の頸に迫った。 その時、『母』の鬼は炭治郎の方に手を伸ばし、死を受け入れるような素振りを見せた。 『母』の鬼は累からの強制的に顔を変えられ、暴力を振るわれながら『母』を演じさせられていた。 『母』の鬼は死んで累から逃れようとしていた。 『母』の鬼が死を受け入れたのを察した炭治郎は、痛みを与えない『水の呼吸 伍ノ型 干天の慈雨』を使用した。 『母』の鬼は炭治郎の優しい目を見て、人間だった頃の記憶をかすかに思い出した。 そして「十二鬼月がいるわ。 気をつけて…!」と告げて消えていった。 山を進む炭治郎と伊之助の前に『父』の鬼が現れる。 『父』の鬼は凄まじい腕力の持ち主で、さらに皮膚が硬く、日輪刀が通らなかった。 炭治郎は伊之助と力を合わせて戦うが、『父』の鬼は木で炭治郎を殴りつけて吹き飛ばした。 炭治郎は吹き飛ばされながら「俺が戻るまで死ぬな!」と伊之助に叫んだ。 仲間の鬼を傷つける累を見た炭治郎 炭治郎はすぐさま伊之助の元へ戻ろうとするが、そこで二人の鬼を見つける。 それは累と『姉』の鬼だった。 累は『姉』の鬼を傷つけていた。 それを見た炭治郎が「何してるんだ…!仲間じゃないのか!」と言うと累は「仲間?そんな薄っぺらなものと同じにするな。 僕たちは家族だ。 強い絆で結ばれているんだ。 」と話した。 それに対し、炭治郎は「家族も仲間も強い絆で結ばれていればどちらも同じように尊い。 血のつながりがなければ薄っぺらだなんてそんなことはない!それから強い絆で結ばれている者は信頼の匂いがする!だけど、お前たちからは恐怖と、憎しみと、嫌悪の匂いしかしない!こんなものを絆とは言わない!紛い物…偽物だ!」と告げた。 累は憤怒の表情で「お前いま何て言ったの?」と炭治郎に聞いた。 炭治郎は凄まじいプレッシャーを感じながらも「何度でも言ってやる。 お前の絆は偽物だ!」と告げた。 その後、炭治郎は累と戦い始める。 炭治郎は累が使う糸を断ち切ろうとするが、累の糸は凄まじい硬度で、逆に炭治郎の日輪刀が折れてしまう。 そして炭治郎は累に成す術がなく累の糸に取り囲まれてしまう。 その時、禰󠄀豆子が累の糸から炭治郎を庇った。 それ見た累は「妹は兄を庇った…。 身を挺して…。 本物の絆だ!欲しい…!」と言って打ち震えた。 そして累は「坊や。 話をしよう。 僕はね、感動したんだよ。 君たちの"絆"を見て。 体が震えた。 この感動を表す言葉はきっとこの世にないと思う。 でも君たちは僕に殺されるしかない。 悲しいよね。 そんなことになったら。 だけど回避する方法が一つだけある。 君の妹を僕に頂戴。 大人しく渡せば命だけは助けてあげる。 」と炭治郎に話した。 しかし炭治郎がそれを了承するはずもなかった。 累は十二鬼月の証である目を見せ、炭治郎を殺して禰󠄀豆子を奪うと宣言した。 父の『ヒノカミ神楽』を見ている炭治郎 累は一瞬のうちに糸で炭治郎から禰󠄀豆子を奪った。 炭治郎は禰󠄀豆子を取り戻すために立ち向かい、『水の呼吸 拾ノ型 生生流転』を繰り出した。 『生生流転』は回転しながら剣を振るう技であり、回転する毎に威力が増した。 その技で炭治郎は累の糸を断ち切ることができた。 しかし累は「ねぇ。 糸の強度はこれが限界だと思ってるの?」と言い、糸に血を纏わせてさらに硬度をあげた。 そして炭治郎を糸で取り囲んだ。 炭治郎はこれまでと違う糸の匂いから、自身では糸を斬れないことを悟った。 その時、炭治郎は走馬灯を見た。 炭治郎は「炭治郎、呼吸だ。 息を整えてヒノカミ様になりきるんだ。 」と話す父親・炭十郎の事を思い出していた。 炭治郎の家では、年の始めに『ヒノカミ神楽』という舞を神様に捧げるのが習わしだった。 幼き頃の炭治郎は「倒産は体が弱いのにどうしてあんな雪の中で長い間舞を舞えるの?俺は肺が凍りそうだよ。 」と炭十郎に尋ねた。 炭十郎は「息の仕方があるんだよ。 どれだけ動いても疲れない息の仕方。 正しい呼吸ができるようになれば炭治郎もずっと舞えるよ。 寒さなんて平気になる。 」と話した。 炭十郎は「炭治郎、この神楽と耳飾りだけは必ず途切れさせず継承していってくれ。 約束なんだ。 」と炭治郎に伝えた。 炭治郎は『ヒノカミ神楽』を使って累の糸を斬った 炭治郎は『水の呼吸』から『ヒノカミ神楽』へと切り替え、累の糸を斬った。 しかし、炭治郎は『水の呼吸』から『ヒノカミ神楽』に無理に切り替えた反動で、もうすぐ体が動けなくなることを察していた。 炭治郎は刺し違えても累を倒そうとした。 その時、累に出血させられて気絶していた禰󠄀豆子が目を覚まし、血鬼術『爆血』を使用し、累の糸を焼き切った。 そしてその隙に炭治郎は累の頸に日輪刀を振るう。 炭治郎の一撃では累の頸を斬れなかったが、日輪刀についていた禰󠄀豆子の血が爆発し、日輪刀が加速した。 そうして累の頸は落とされた。 炭治郎は『ヒノカミ神楽』を使った反動で動けなくなっていた。 必死に禰󠄀豆子の元へ炭治郎が這い寄っていると、背後から累の匂いがした。 累は炭治郎に頸を斬られる寸前で、自ら頸を切り離しており、死んでいなかった。 累は動くことができない炭治郎と禰󠄀豆子を殺害しようとした。 その時、冨岡義勇が応援に駆けつけた。 義勇は累の糸を難なく斬り捨て、頸を落とした。 累の身体から悲しみの匂いを感じ取った炭治郎 累は消える寸前にかつての記憶を思い出した。 鬼になる前、累は走ることができないほどに病弱だった。 そんな累の元に無惨が現れ、累は鬼になることで強い身体を手にいれた。 だが両親はそれを喜ぶ事なく、人を喰らう鬼となった累を殺そうとした。 累は自身の家族の絆が偽物だと思い、両親を殺害した。 しかし、それは誤りだった。 母親は命を落とす寸前「丈夫な体に産んであげられなくて…ごめんね…。 」と言っていた。 父親はただ累を殺そうとしていたのではなく、累の罪を背負って一緒に死のうとしていた。 家族の絆を断ち切ったのは累だった。 累はその事を忘れていて、ずっと家族の絆を求めていた。 累は消える寸前に炭治郎と禰󠄀豆子に手を伸ばした。 炭治郎は累の身体から抱えきれないほどの大きな悲しみの匂いがすることに気づいた。 そいて炭治郎は消えゆく累の身体に手を添えた。 累は「暖かい。 日の光のような優しいて。 思い出した。 はっきりと。 僕は謝りたかった。 ごめんなさい。 全部全部僕が悪かったんだ。 どうか許してほしい。 でも…山ほど人を殺した僕は…地獄に行くよね…。 父さんと母さんと…同じところへは…行けないよね…。 」と言った。 その時、累は両親の姿を見た。 両親は「一緒に行くよ。 地獄でも。 父さんと母さんは累と同じところに行くよ。 」と話した。 累は涙を流しながら「全部僕が悪かったよう!ごめんなさい!」と泣いて謝った。 そうして累は消えていった。 鬼を憐れむ炭治郎 義勇は累が来ていた着物を踏みにじり「人を喰った鬼に情けをかけるな。 子供の姿をしていても関係ない。 何十年何百年生きている醜い化け物だ。 」と話した。 それを聞いた炭治郎は「殺された人たちの無念を晴らすため、これ以上被害者を出さないため…勿論俺は容赦なく鬼の頸に刃を振るいます。 だけど、鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を踏みつけにはしない。 鬼は人間だったんだから。 俺と同じ人間だったんだから。 足をどけてください。 醜い化け物なんかじゃない。 鬼は虚しい生き物だ。 悲しい生き物だ。 」と話した。 その時、蟲柱の胡蝶しのぶが現れて禰󠄀豆子に斬りかかるが、義勇がそれを防いだ。 炭治郎は義勇の命令で禰󠄀豆子を担いで逃亡した。 しかし、炭治郎と同期の剣士である栗花落カナヲが現れ、炭治郎は気絶させられる。 カナヲは禰󠄀豆子を殺害しようとするが、その途中に炭治郎と禰󠄀豆子を殺さずに拘束するように伝令が入った。 炭治郎と禰󠄀豆子は拘束されて本部へ連れ帰られた。

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ヤンデレ炭治郎

炭治郎 夢小説

竈門禰豆子には自慢の兄がいる。 子供が6人もいる大家族の長男で、父が死んだ後は一家の大黒柱となり家族を支えてくれた。 父は身体が弱く何処か植物のように浮世離れしていたのに対し、兄は子供らしくなかった。 禰豆子は兄が泣いている所を見たことがなかった。 父が死んだ時でさえ気丈にふるまい、どんなに辛くとも泣き言一つ聞いた事がない。 以前辛くないかと尋ねた所、兄は優しく微笑んで頭を撫でながら告げた。 『俺は長男だからさ。 みんながいるから、俺は頑張れるんだ』 そんな兄の唯一の趣味が舞だった。 父から習った呼吸と舞を何度も何度も、それこそ体に染み付けて一夜明かすほど続けていた。 一度試しにその呼吸を行ったところ、すぐ苦しくなり続けられなかった。 こんな苦しいのに続けて大丈夫なのかと次男の竹雄が心配そうに聞けば、兄は恥ずかしそうに頬を掻きながら苦笑した。 『これは、父さんが代々受け継いできたものだから。 ……強くて優しい、お侍さんが残してくれた大切なものだからさ』 兄は近くにいても何処か遠い所にいる印象だった。 まるで知らない遠くの出来事を知っているようで、父から譲り受けた花札の耳飾りに触れながら、空を見上げる兄はそのまま飛んでいってしまいそうな雰囲気だった。 竈門禰豆子は兄が好きだ。 少し天然が入っていて、嘘を吐くのが大の苦手で、強くて優しい兄が大好きだ。 俺が戻らなかったら、逃げてその耳飾りと舞を継承していってくれ」 耳飾りを渡してくる兄が、遠い。 額に広がるのは、火傷の後を塗り潰すような痣。 今にも消えてしまいそうなその姿を見て、禰豆子は思う。 幸せが壊れる時、いつも血の匂いがした。 一つは自身の記憶。 物心着いた頃からの大切な記憶。 そしてもう一つは、とある侍の記憶。 強くて優しく、けれど大切なものを零してしまった悲しい記憶。 その事を父に相談すれば、父は記憶の遺伝だと言った。 記憶の出来事は現実の事。 だからこそ炭治郎は強さを求めた。 この世界に鬼はいる。 ならば鍛えなければならない、家族を守るために。 泣き言は言わなかった。 どんなに辛くとも、それ以上に悲しい事を知っているから。 例え肺が破裂しそうでも、記憶の大切な人を失った時の痛みと比べれば耐えられた。 記憶と父の教えから、世界が透き通るようになった。 特殊な呼吸で一日以上舞を続けられるようになった。 それでも、これほど努力を続けれも記憶の侍には届かなかった。 成果も出ずに時間だけが過ぎ去っていく。 父が死に、炭治郎が一家の大黒柱になろうとも完全な再現は困難だった。 「……ああ、そうか。 今日なのか」 目を覚ます。 窓から差し込む月明かりが時刻を告げる。 起き上がり、異常な熱さを訴える身体を無視して皆が眠る寝室から出る。 奇妙な感覚だった。 嘗てないほど落ち着いている。 全身の細胞がこの時を待ち続けていたかのように燃えている。 きっと、この熱は命の炎なのだろう。 「お、兄ちゃん? どうしたの、こんな時間に。 それに、その痣……」 物音に目が覚めてしまったのか、禰豆子が炭治郎の背後に立っていた。 炭治郎の異様な雰囲気に息を呑むと、普段とは違うように戸惑いを隠せなかった。 炭治郎は視線の先である額に手を当てる。 恐らく、ここに痣が浮かび上がっているのだろう。 そしてそれは、避けようにもない別れを意味していた。 「禰豆子」 炭治郎は名前を呼んだ。 大切な妹の名前を。 浮きだっていた身体に芯が入る。 何のために戦うのか、何のために力を求めたのか。 理由は今も昔も変わらない。 「この耳飾りを頼んだ。 俺が戻らなかったら、逃げてその耳飾りと舞を継承していってくれ」 父と同じように、耳に付けられていた耳飾りを外して禰豆子に渡す。 最悪の事態を想定して、かつて言われたことを繰り返した。 意識を失い倒れ掛かる禰豆子を炭治郎は受け止め、寝室に寝かせる。 「……最低なお兄ちゃんでごめんな、禰豆子。 みんな」 最後まで一緒に居られなくて、ごめんなさい。 親不孝な息子でごめんなさい。 薪を切る斧を手に、玄関の扉を開ける。 寒い夜に吐息は白く空へ昇り、満月が辺りを照らしていた。 今日は月が綺麗だ。 こんな月を最後に見れて良かった。 鬼からの報告で花札の耳飾りを付けた少年が出たと聞いた時には忌まわしい過去を思い出し不愉快の極みだったが、その少年が鬼狩りと関わりがないと分かり心から安堵した。 あのこの世の不条理のような存在がそう何度も現れるはずがないと分かっているが、それでも万が一の確率を潰すために無惨自ら出向いていた。 部下の鬼に頼むはずがない。 もし万が一逃げられでもして、鬼狩りと遭遇した場合、きっと無惨はその鬼を100回殺しても殺し足りなくなるだろう。 そのような例外を発生させないためにも、無惨自ら出向いていた。 今回やるべきことは簡単なはずだった。 花札の耳飾りを付けた少年を家族諸共皆殺しにして憂いを絶つ、ただそれだけのはずだった。 振り抜かれた刃が頭部を潰し、視界が遮られた瞬間に両の足が切り裂かれた。 すぐさま足が再生して、周囲一帯を管で薙ぎ払う。 触れようものなら細胞を殺す毒を流し込んで殺せる管だが、掠りもしない。 頭部が再生し、この元凶の姿が目に映る。 その姿は、町中にいるただの少年だった。 忌まわしき鬼狩りの服装でもなく、持っている得物は日輪刀でもないただの斧。 文字通りただの人間。 無惨にとって、その少年は何処までも歪だった。 これが鬼殺隊の一員ならば、まだ理解できた。 あの異常者達の一員ならば、障害になるのは理解できる。 これが花札の耳飾りを付けた少年だったならば、まだ納得できた。 あの侍と関係する者ならば、こうして殺せないことも納得できた。 だが違う。 この男は鬼殺隊でもなければ、花札の耳飾りの関係者でもない。 ただの人間相手に手こずっている。 それが無惨の怒りに更に火を付けた。 そう、更に火を付けたという事はそれだけではない。 無惨には目の前の少年がどうしようもなくあの忌まわしき男と姿が重なって見えた。 『何が楽しい?何が面白い?命を何だと思っているんだ』 幻聴が聞こえる。 あの忌まわしき顔が少年の背後に浮かぶ。 同じ位置に浮かんだ痣が、奴が現世に帰ってきたような錯覚を引き起こす。 それだけならばまだ無惨は冷静さを保てた。 所詮は他人似。 本当に追い込まれれば無惨は慢心を捨てて逃亡を選択できる男だった。 だが、その目だけは駄目だった。 憐れんでいた。 殺意が無ければ、敵意もない。 鬼殺隊のように鬼に何もまだ奪われていない少年にとって、鬼舞辻無惨は悲しい存在だった。 記憶の中に彼が行ってきた罪がある。 それでも、この鬼がここまで道を踏み外す前に止められたのではなかったかと、一人悲しんでいた。 そして、それを無惨は憤怒の中で感じ取っていた。 殺意ならば、あの異常者達と受け流せた。 恐怖ならば、その愚かさに鼻で笑っていた。 死の恐怖に怯えていた無様な自分を思い出させるその目だけは、無視することはできなかった。 嘗てない憎悪に共鳴するように肉体が更なる進化を遂げる。 肉体の至る所から口が生え、衝撃波を辺り一面撒き散らしながら少年に襲い掛かる。 日の出まで、あと一刻。 身体が重い、全身が焼けるように熱い、まるで水中にでもいるような息苦しさが抜けない。 どれだけ時間が過ぎただろうか。 今まで日没から夜明けまで舞を続けていても息切れ一つしなかったというのに、既に息は切れ犬のように舌を出しながら酸素を求めている。 死ぬかもしれないという攻撃を奇跡的に避けて、もう何度目だろうか。 舞とは違い、攻撃を躱しながら舞を続けるという精密作業は集中力を著しく削り、心身ともに疲労していた。 それでも、この男を逃がす訳にはいかない。 透き通る世界で見える筋肉一つ一つを決して見逃さず、行動の起こりを限りなく防ぐ。 回避と共に攻撃の隙を突くのは、竈門家に代々受け継がれてきた舞。 この円環をもって日輪となす。 故にヒノカミ神楽。 終わる事のない舞を繰り返しながら、衝撃波を躱し右腕を絶つ。 決して攻撃個所を一部に限定してはならない。 相手は鬼、一部を限定して硬化させるなど容易いこと。 そして同時に打ち合えば、簡単に脆く砕けるのは炭治郎の方だ。 故に、狙うは後の先。 相手を倒すのではなく、相手に何もさせたい戦い方。 そもそも最初から炭治郎は鬼を倒すつもりなどなかった。 鬼を倒す方法は2つある。 一つは日輪刀で首を切ること。 少年に目もくれず無惨が空を見上げれば、黒い空はほとんど白く塗り潰され、山と山の隙間から太陽が姿を現す直前だった。 周囲が戦闘の影響で樹々が軒並み斬り落とされていたため、大きく跳躍して近くの木の陰に隠れる。 斧を持つ腕は疲労で震え、肩で息をするほど疲労が溜まっているのが目に分かる。 至るところを木の破片や吹き飛ばした砂利で怪我を負い、血だらけとなっていた。 見るからに瀕死なのが理解できる。 それなのに、 「貴方が、家族みんなを襲わないというのなら、俺は貴方を追いません。 もう二度と、この山に近づかないで下さい」 何を、この男は言っている。 傲慢も慢心も恐怖も憎悪も、彼の中で無数に蠢く感情は全て塗り潰された。 この人間に、最大限の絶望を味合わせてやる。 無惨は微動だにしなかった。 だからこそ、少年は反応出来なかった。 今までとは違う、行動の起こりを隠す攻撃に。 少年の足元。 地面から突如突き出てきたのは細長い管。 威力を殺しただ相手に刺す事のみに特化したそれを、少年は限界の身体を酷使しそれでも間一髪で気づき斧で絶ち切った。 これが限界突破。 故に、次はない。 単純な話だ、無惨は隠すために地面から管を2本、時間差で攻撃しただけに過ぎない。 単純ゆえに予測が困難。 今までその肉体の性能のみで怪物の如く戦ってきた相手が突如人のように不意打ちを繰り出すなど、先入観から推測不可能である。 自らを完璧に近い生物と信じて疑わない無惨が傲慢さを捨ててでも見せた技。 「私を憐れんだ人間、貴様には相応しい末路を与えてやる」 管から流すのは細胞を殺す毒? 否、そんなものは生易しい。 「貴様も、憐れむ存在と同じになれ」 即ち、鬼へと。 血が流し込まれる。 並大抵の鬼ならば耐えきれない程の血液。 流し込まれた総量は十二鬼月に匹敵する。 管を抜けば、少年は膝を付いた。 血管が浮かび上がり、牙が生え細胞が変異していくのが感じる。 この鬼と化した少年が守りたがっていた家族を喰らい絶望する姿を見るのも悪くないが、それ以上に無惨にはこの少年が憐れんだ鬼と同様の死に様を晒す方が好ましかった。 「鳴女」 空間操作の血鬼術を持つ鬼の名前を呼び背後に無限城へと続くふすまを開かせて、その傍に立ちながら無惨は鬼と化した少年の末路を眺める。 無惨が立っているのは樹々によって日の光は遮られており、仮に朝日が昇っても少年が燃え尽きる様を見る程度の余裕があった。 日の照らす世界に、その存在など許さないように。 夜の住人である鬼の身体は、超再生も追い付かない速度で灰と化していく。 「ハ、ハハハハハハハッ! いいぞ、私を憐れむ者などこの世に一欠けらも許すものか!」 自分を脅かした存在の末路に無惨は耐えきれず哄笑する。 悲鳴と哄笑。 炎と灰。 あり得ない現実を前に、彼の保有する五つの脳の全てが思考停止する。 もう一つ、少年の絶叫が止んだのは何故か。 理由は単純。 声を上げる必要が無くなったから。 日に浴びようとも、その細胞は燃えて灰になることもなく、日の世界にその存在を認められていた。 鬼の弱点を克服した存在が、そこにいた。 「……見つ、けた」 無惨の身体が震える。 千年もの間待ち焦がれ続けてきた鬼の存在に、無惨は飛び出した。 肉体を変異させる。 全身の肉を分厚く盛り上がらせ、人の背丈の数倍はあろう赤子のような姿は肉の鎧そのもの。 短期間であれば太陽の下でも活動できるその姿で、無惨は膝を付く少年の身体に飛び掛かった。 「貴様を取り込めば、私も太陽を克服する事が出来るのだ!」 手を伸ばす、夢の体現へと。 彼の心にあるのは、これからの不安なき未来のみ。 もはや無惨の目には、未来しか見えていなかった。 苦しくて、辛くて、痛くて、生きている事さえ否定されているようだ。 炭治郎は内側の血と外側の太陽の光に全身を蝕まれていた。 頑張った。 本当はこんな痛い事したくなかった。 斧を薪ではなくて人に向けるなんて、本当は怖くて怖くて仕方なかったのだ。 それでも頑張って耐えて、耐えて耐えて耐えて。 自分ではなくなっていく恐怖と身体が灰になっていく恐怖にも我慢して。 プツリと、何かが切れてしまった。 ここまで耐えてきたのだ。 なら、もういいじゃないか。 もう、苦しい思いをしなくてもいいじゃないか。 その気がかりが、寸前の所で踏み留まらさせる。 限界だったはずの四肢に、ほんの一欠けらの力が宿る。 右目は禰豆子や皆の家族の姿。 左目は見たこともない、だけど知っている優しい女性の姿。 差し伸べられた手の平を、両の目でそれぞれ握り返す。 たとえ過去が変わろうとも、変わらない温もり。 覚えているはずだ、その幸福を。 自分のようにはなるなと、まだ何も失っていない者へ。 貴方はまだ、間に合うのだと。 眼前には赤ん坊の姿をした怪物が手を伸ばしてきている。 斧は手から零れ落ち、再度拾う時間も余裕ももはや残っていない。 動けるのは後一回だけだろう。 炭治郎は足の裏に力を込め、全力で蹴り出した。 次はない。 ここで全てを終わらせる為に。 巨大な肉の壁を削り切るには素手では足りない。 ならば、増やすしかない。 そしてその術を、炭治郎は理解していた。 その尾は一つ一つが鋭利な刃と化しており、炭治郎の想像通り変幻自在に蠢いている。 思う通りに動くのならば問題ない。 炭治郎はそれを無意識に動けるまで身体に染み付けてきたのだ。 ならば、十二同時に型を振るうなど、容易いことだ。 炭治郎は瞬時に1500個の肉片を斬ることなど出来ない。 だが、迫る肉体を肉片に絶ち切る事は出来た。 十二の尾がそれぞれ別の型を振るう。 それは即ち、ヒノカミ神楽拾弐ノ型全てを同時に放つという事。 (な、に? な、何が起こった!?) 無惨は気づけば、自身が少年を見上げている事に気づいた。 それと同時に声が出せなくなっていることも。 自身を見下ろす少年に憎悪が湧き咄嗟に右腕で叩き潰そうとするが、そこで腕が動かない事に気づいた。 否、腕だけではない。 見上げる瞳以外何一つ動かない。 そこで無惨はようやく辺りを見渡して漠然とした。 周囲一帯に広がる肉片の山。 それは即ち、自身が細切れに刻み込まれた事を差し示していた。 そして。 少年の周りに散らばっているということは。 太陽の当たる場所に無防備にいるという事だ。 無惨は咄嗟に散らばった肉片を再生させて影へ逃げ込もうとするが、 (馬鹿な、再生しない!?) 斬られた肉片の断面はまるで細胞が死滅してしまったように再生を始めず、次々と灰へと化していく。 それはまるで、耳飾りの剣士に斬られた時と同じようで。 ここに、無惨の結末は決まった。 もはや何に対して怒りを燃やしているのかすら分からない程の憤怒の激流。 最後の一撃だったのか、少年は佇んだまま気を失っていた。 ただそれに気付かないほど無惨は怒りを燃やし、日影で見えない少年の顔を睨み付けながら管から血を送った。 それは、少年が鬼に成り切れていないため完全な鬼にして殺すためだったのか。 或いは、自身が生きた証を少年に託したのかは定かではない。 ただ分かる事は一つだけ。 鬼舞辻無惨は灰と化すまでに、自身の血に匹敵する総量の血液を輸血し、少年はただ立ち続けた。 それだけが、この場の真実だった。 朝目覚めて兄の姿が見えなかった禰豆子は、途方もない不安感に襲われ兄の姿を求めて走った。 雪道に残る微かな足跡を頼りに駆ける。 走り出してどれほど経ったか。 樹々が切られ広がった広場に、炭治郎は佇んでいた。 炭治郎の周囲には雪と灰が舞い上がり、炭治郎の後ろ髪がなびく。 その姿に、何故か禰豆子は不安感を抱いてしまった。 いつも何処か遠い兄の姿。 それが、決定的な境界線を越えてしまったような漠然としたズレ。 『日本一慈しい鬼』退治だ。

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