愛内 よしえ。 愛内よしえ(あいうちよしえ)

初出場!愛内よしえプロのロングインタビュー

愛内 よしえ

リーチさえかけてしまえば、周りはそうそう向かってこれないだろう。 小林の狙い通り一騎打ちの様相を呈するかと思われた。 そう、愛内の反撃が来るまでは….。 視点:愛内よしえ 最後の親番が落ちた愛内。 南3局で、トップ目の近藤との点差は29,800点差。 跳満ツモ2回や倍満ツモ+満貫、または役満といった条件を突き付けられた局面。 その愛内に以下の手が入った。 ここで愛内は少考する。 愛内「 を切ってリーチをすることは決まっていて、ゴーさん からアガるかどうかを考えていました。 裏ドラが乗ればオーラス跳満ツモ条件、乗らなければ倍満ツモ条件。 厳しいですが、役満以外の条件のあるオーラスを迎える方がトップに近いと思いました」 最高位戦Classic決勝など数多くのタイトル戦を戦ってきた愛内だからこそ、条件のあるオーラスの大切さを熟知している。 小林に放銃して、さらに厳しい条件を課せられるよりはマシという判断だろう。 苦しいながらも最善を模索した結果だ。 考えていた通り、 を掴んだ小林からアガるも裏ドラは乗らず。 オーラスを倍満ツモ条件で迎える。 視点:近藤誠一 近藤 「3代目最強最高位を目指している。 あの人が待っている気がするから」 近藤があの人と語るのは初代最強最高位である故飯田正人永世最高位のことだ。 飯田正人永世最高位は過去10期の最高位獲得の他、第7期最強位を含む数えきれないほどのタイトルを引き下げて、プロ麻雀界の黎明期を支えた。 2016年に病気のため惜しまれながらその生涯に幕を閉じたものの、その偉大さゆえに飯田正人永世最高位を敬愛する声は多い。 もちろん近藤もその一人だ。 近藤「飯田さんは基本的な理論は当然のこと。 そこに加えて自分が経験したことに基づく選択、つまり感性が光っている」 近藤の雀風を感覚派と称することが多いが、これは飯田正人永世最高位の血を継いでいる側面が大きい。 伏せれば勝利のオーラス親番。 オリたいという気持ちに反して手はアガリへと寄ってくる。 役なしのドラ と のシャンポンをテンパイするが、 をツモ切りとしてテンパイを拒否した。 近藤「 234の 三色になったらテンパイに取ろうと思ってたんだけど、崩れちゃったからね。 ツモ専のテンパイにあまり価値を感じなくて。 それよりは安全牌の を持ってたかった」 そうして11巡目には完全に手を壊した。 この局面に関して 近藤 「ソウズを切って チートイドラドラに放銃したら嫌だからね」 と具体的に多くは語らなかった。 今までの膨大な対局の経験からこういう場面ではオリた方が得と感じたのだろう。 これぞ感覚派たるゆえんか。 その後は終局まで丁寧にオリ切って決勝行きの切符を手にした。 近藤 「俺には飯田さんと同じ経験をすることはできない。 だから飯田さんの麻雀の具体的な何かを模倣したりとか、そういうことはしていない」 一つ一つ丁寧に言葉を選んで話す。 でもね…と続けてこう語った。 近藤「自分の感性を信じて闘う姿。 これだけは俺の中で飯田さんが生きているんだ」 デジタルであるとか理論であるとかデータであるとか。 そういった声を押す力が大きい今日の麻雀界において、こういった考え方を少し古臭いと感じるだろうか? では、 が齢50を超えてタイトルを取り続けている理由を、理論やデータで説明してはくれないだろうか? 近藤は最強戦決勝の舞台へ進む。 オンライン麻雀「天鳳」の牌譜機能を駆使した超緻密な観戦記が話題に。 ブレイク間近の若手プロ雀士。

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極限の場面での二択。安達瑠理華という大輪の華――【麻雀ウォッチ プリンセスリーグ2019 プレーオフ1st】

愛内 よしえ

金本「女流プレミアトーナメント最終日は『女達の秘技』、そして各ブロックを制した4人での決勝戦が行われました。 決勝メンバーは、女達の秘技で優勝した愛内よしえ、そして高宮まり・与那城葵・渡辺洋香です。 梶本さんはこの中で誰が勝つと思いました?」 梶本「今回は渡辺かなと思ってました。 一発勝負なら高宮の爆発力は魅力的ですが、今回は渡辺・愛内が高宮を走らせないような気がして。 与那城は実力というより経験と自信がまだ不足だとみて、ここは正直難しいだろうとみました」 金本「実際、そんな感じで対局が進んでいきましたね。 愛内と渡辺のマッチレースで」 梶本「渡辺は東1局の2本場、1メンツ落としてソーズのホンイツを決めたアガリが良かったですね(『光る一打』参照)」 金本「ああいう手筋は見ててワクワクします。 馬場(裕一)さんとかが解説だったら間違いなく絶賛してるでしょうね」 梶本「このアガリで渡辺の士気も高揚したでしょう。 渡辺は新旧女王対決のときも、打点を重視した一打が見事にハマって優勝したし。 個人的にはこのホンイツが優勝の決まり手になるかもとすら思いました」 金本「そこから一気に爆発しましたね。 高目一通のリーチをかけてラス牌の4筒をツモってリードを広げ、東ラスの親では愛内との2軒リーチ、同テン6-9萬待ち対決に競り勝っての6000オール」 東4局 東家・渡辺 梶本「ここで与那城は少考して打7萬で8萬単騎に構えました。 相手からすればドラの5萬をポンした後に7萬手出しですから、周辺の6萬・8萬はケアするでしょう。 ただ、ソーズのホンイツ4-7索待ちでテンパイしていた渡辺が8萬を掴んでツモ切り。 与那城への満貫放銃となり、2着目の愛内との点差も7200点、親のある与那城も逆転トップがみえてきました」 金本「渡辺は『こういう部分は一生治らないと思うんです』と言ってました。 でも、僕はこの放銃、好きですけどね。 たしかに渡辺はトップ目だし無理せず、2着目・愛内の親流しをドラポンの与那城に任せる手もある。 普通のプロならそうしてるはず。 でも、渡辺が同じことをしたら他のいいアガリも出なくなると思うんです。 ここまで手役を狙って強気に攻めて会心のアガリを何度も決めた人ですから。 麻雀も人生もいいとこどりはできませんよ」 梶本(人生?フレないでおこう) 金本「渡辺のドラはいつもポンされる(笑)。 ただ愛内はここからが凄かった。 渡辺がダブ南を暗刻にしたとき、9筒を手出ししているのですが、それに対して7筒・8筒を勝負してるんですよ」 梶本「普段は丁寧に牌を捨てる愛内が、この時は相当気合いを込めてスナップを利かせて打牌してました。 愛内いわく『理屈じゃなくアドレナリンで勝負した』とか」 金本「アドレナリン! いいですね。 愛内って、打牌の理由を聞かれたら論理的な根拠を言うタイプだったし、アドレナリンで打つとか意味不明なことを言うタイプじゃなかった。 その人が初めて素直にこういう言葉を出して熱くなってくれるのは凄く嬉しいですね」 梶本「熱い人好きですね」 金本「冷静なのはコバゴーだけでいいです」 梶本「最終的には与那城が3萬ツモで決着したのですが、愛内は無筋の5萬も勝負して戦ってましたね」 金本「僕はああいう終盤で、トップ目だからと現物の2萬と入れ替えて安全にカン4萬にするプロを何度も見てきました。 で、オーラスで先手を取って逃げ切る。 でも、それで優勝しても全く感動しませんよね。 この決勝のオーラスは愛内が役なしペン7筒リーチをかけてアガリ切るんですが、この南3局のアドレナリン押しがあったから、最終局のアガリ方にも共感できると思ってます」 梶本「単に早い手が入ったときだけ前に出る、って麻雀は面白みに欠けるということですね」 金本「そう!ファイナルでも愛内さんには技+アドレナリン、というかもう技はいいや、アドレナリンだけで男子プロにぶつかる姿を期待してます」.

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ヤンキーなの?愛内よしえプロ・年齢に似合わぬ実戦派雀士

愛内 よしえ

「今日はすごく楽しみだなっていう気持ちで目が覚めました」 最高位戦日本プロ麻雀協会所属、「闘華飛翔」安達瑠理華。 番組冒頭で彼女が発したコメントは、個人的には意外だった。 麻雀ウォッチ プリンセスリーグ2019のプレーオフ1st。 半荘2戦の上位1名のみが2ndへと駒を進めるサバイバルレースだ。 守備寄りの雀風の安達は、リーグ戦やトーナメント戦においては、これまでのキャリアでもつねに安定した結果を残し続けてきた。 その一方で、トップ抜けのルールはあまり相性が良くないという印象があった。 放送では快活な立ち居振る舞いを崩すことのない彼女だが、実際のところは非常にセンシティブな人柄だと思う。 対局前にナーバスになっているのではと危惧もしていたのだが、どうやらそれは取り越し苦労だったようだ。 「打つ回数を重ねてプリンセスリーグのルールに馴染んできたのと、このシステムが面白くて。 私、予選ではけっこう負けていたのに通過できて、まだチャンスがあるということがうれしかったですね」 努力している姿をあまり人に見せたがらない安達ではあるが、麻雀にかける熱量は本物だ。 実戦で気になった局面があったら、実力者へ欠かさず質問するという。 聞き及んだ話では、深夜にプロに連絡をして、何時間も質問責めにしたこともあったそうだ(それにしっかり受け答えする小林プロもすさまじいのだが……)。 その熱をぶつけ、万全の準備をしてきた。 対局前の発言から、そんな安達の心情を察することができた。 プレーオフ1stで対局したのはAブロック4位の松嶋桃、Cブロック4位の杉村えみ、そしてワイルドカードとして最後の切符を手にした愛内よしえ。 対局者の中に親友の松嶋がいたことも、安達にとっては良い発奮材料だったという。 「私が半年くらい早くプロになっていて、初めて会ったのは最高位戦ペアマッチに出場した時。 もう、私が一目惚れして(笑)。 で、同卓した時に桃たん(松嶋)に声をかけてもらって、もう好きになっちゃいましたね」 プライベートで親交の厚い松嶋のことをそう評した安達だが、同卓経験は今回で3回目だという。 親友と雌雄を決する場として、この上ない舞台だった。 安達ならずとも熱がこもるというものだ。 初戦の東1局、安達はいつになく積極的だった。 オタ風の から仕掛け、ソーズのホンイツへとまっしぐらに進む。 2枚目の (ドラ表示牌に1枚)ならば鳴くのは必然と思う方もいるかもしれない。 だが、仕掛けた後には役牌の 、また河がいかにもソーズ模様のため、他家にケアされるリスクも付きまとう。 少なくとも、以前の安達ならば を受け駒として残すか、メンホンチートイツを狙っていたように思う。 だが、この場は半荘2戦でトップ抜けを目指すスプリントレース。 開局早々に、安達はその気概を感じさせた。 そんな思いが結実するかのように、松嶋から を鳴くことにも成功した。 ん? この仕掛けに役牌を切っていくということは…… そう、親の松嶋には十分すぎるほどの勝負手が入っていた。 メンタン赤、 待ちの本手で主導権を握りにかかる。 裏ドラは乗らず、7700点の出アガリ。 結果的に放銃となってしまった安達だが、解説のは、これを「普段の安達さんの雀風から、 からは行かないと思っていました。 トップを取るんだという姿勢が感じられる良い放銃」と評した。 安達もまた「 を鳴かずにメンホンチートイに仕上がれば高いんですけど、基本は仕上がらない手だと思うので。 座してチャンスを待っていたらダメなんだなという思いでした。 ああいう戦いの東1局から声が出せるかって、自分ではけっこう大事かなって思っています」と振り返った。 続く1本場は松嶋が1100オールをツモアガってさらなる加点に成功。 さらに差が開いてしまった安達だが、ここで大きなチャンスが巡って来た。 タンヤオ・赤ドラのカン 待ちでテンパイしているところに 引き。 ここでテンパイを崩す打 とした。 イーペーコーへの変化やマンズの伸びを考慮し、さらなる良形を目指す。 うまく育てば跳満、倍満クラスのアガリも見込めるだろう。 これを愛内から討ち取り、一撃で原点付近にまで浮上した。 勢いに乗る安達は、東3局にもメンピン・イッツーの満貫を愛内から和了。 松嶋を射程圏内へと捉えた。 東4局、安達が松嶋の捨てたドラの をポン。 ピンフ赤2の 待ちでリーチをかける。 安達は南2局に杉村から5200をアガり、ついに松嶋をまくることに成功。 とはいえ、残る2局のこの点棒状況は、まだまだ予断を許さない状況だ。 そんな局面で、またしても安達にチャンスが巡って来た。 ピンフ・赤ドラの 待ち。 ここでは手堅くヤミテンを選択。 安目の では3900点止まりだが、他家からの出アガリでも8500差がつき、オーラスの松嶋には安達からの5200直撃か1600-3200以上のツモという比較的厳しい条件が課せられる。 松嶋の捨牌が濃くなっている中であれば、これで十分としたのだろう。 これが決定打となり、安達は見事に初戦トップを飾って見せた。 「初戦がトップで終わって、やったと喜んじゃったんですよね。 戦いは、まだ終わってないのに。 戦いの最中に歯を見せたというか、その自分に気付いて。 もう一回気持ちを引き締めなきゃと思ったけど、精神状態は良くないとその時に思いました」 2戦勝負で初戦をものにしたことで、安達が一気に優位に立ったことは間違いない。 ただ当人は同時に危機感を覚えていたようだった。 そんな不安が的中するような展開が、2回戦に訪れる。 東1局、松嶋が2000-4000のツモアガりで会心のスタートを切る。 初戦2着だった松嶋がリードすることは、安達にとって最も厳しい展開だ。 松嶋がトップに立った場合、安達は7300点差以内の2着目に入らなければならない。 続く東2局、愛内からピンフ・イッツーの渾身のリーチが入る。 2巡目に を切ってリャンメン固定しているところが、なんとも心憎い。 守備に定評のある安達も、手詰まりのこの手格好からでは 以外に選ぶ牌がなさそうだ。 南入する頃には、安達と松嶋の点差は40000点近くにまで広がっていた。 初戦のリードは潰え、退路は断たれた。 安達はこの牌姿から をトイツ落としして、456の三色も見据えた門前手順で進行していく。 11巡目、松嶋もチートイツの でテンパイ。 本手の安達は、 を持ってきて止める余裕はないだろう。 残された時間は、あまりにも少なかった。 そんな中、安達が待望のテンパイを入れた! タンヤオ・ピンフ・イーペーコー・赤のヤミテン満貫を、迷わずにリーチ! 松嶋との点差を考慮し、強気に跳満ツモを目指す。 そしてここに、後に引けない者がもう一人。 最後の親番を迎えた愛内が、ペン 待ちで追いかけリーチを放った。 アガらなければ流局なのだ。 どんな状況であろうと、愛内からしたら立ち向かう以外の選択肢はない。 このリーチを受けた松嶋は、 をトイツ落としして撤退。 彼女としては、さすがに無理をする状況ではない。 を切ればテンパイを維持できるものの、安達は北家。 場に1枚切れの を切ってテンパイキープをするのはリスクに見合わないとの判断だろう。 一方、杉村は安達と愛内の当たり牌を4枚も抱え込んでいた。 をつかんだ時点でテンパイを崩し、 を切りながら迂回。 をポンして 単騎のテンパイで復活を果たした。 共通安牌はゼロ。 南2局1本場には杉村が愛内からチンイツ・赤の18300点をアガるという派手な展開も訪れ、勝ち抜けの行方はほぼ3者に絞られた。 オーラス時点でのトータルトップ目は松嶋。 安達は先に述べたように7300点差の2着にまで食い込むこと、杉村は松嶋からの跳満直撃か倍満ツモ、愛内はダブル役満直撃という条件戦になった。 ラス親の安達としては、とにかくアガり続ければいいというシンプルな状況だ。 まずは ・赤1の1000オールをツモりアガり、ひとまず4000点の差を縮めることに成功。 条件達成まで、残り20600点。 とはいえ、このアガリ連荘ルールでそう何度もチャンスが訪れることはないだろう。 次局、テンパイ一番乗りを果たしたのは松嶋だった。 松嶋としては、リーチをかけて無防備になり、安達から直撃を受けたくないとの判断からツモアガリに賭けたのだろう。 もう、いつ決着してもおかしくない局面だが、安達はまだターツオーバーという状況だ。 雀頭固定の 切りをチョイスし、最短でのテンパイを目指す。 この局面、安達としては一刻も早くリーチをかけて松嶋を下ろし、なおかつアガリ切れる待ち取りにしたいところ。 なにしろプリンセスリーグはアガリ連荘ルール。 流局、即ゲームオーバーなのだから。 果たして、安達は11巡目に1シャンテンにまでこぎつけた。 ドラ含みのリャンメンターツは当然除外するとして、カン とペン 、どちらかのターツを外す場面だ。 関連牌は と が1枚飛び、 が3枚、 が2枚捨てられている。 「ただ、フラットな状態ならペン の方がいいなって思うんですけど、倍満ツモ条件の杉村さんが、私目線から が4枚見えた後に で長考したんです。 これは をトイツ以上で持たれている可能性があると考え、それで悩んでいました」 あらゆる条件を加味しつつ、安達が選んだターツ。 闘華飛翔。 松嶋の安堵の表情が、この戦いの際どさを鮮明に物語っていたように思う。 「悔しかった。 でも、桃たんが次の半荘(プレーオフ2nd)を打っているのを見た時は、がんばれーっていう気持ちになってましたね」 華は散ってもつぼみはほころぶ。 この敗戦を糧にして、安達瑠理華という大輪の花が、次こそ咲き誇ることだろう。

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