横浜 dena ベイスターズ。 横浜DeNAベイスターズ : De速

DeNA買収から丸5年。低迷期を脱却し生まれ変わったベイスターズの今

横浜 dena ベイスターズ

横浜DeNAベイスターズは2019年、球団創設70年の節目を迎えます。 ベイスターズはDeNAがオーナー会社になった2011年以降、観客動員数、ファンクラブの会員数などが右肩上がりに増え続け、今では「チケットが取りにくい」と言われるほどの人気球団へと成長しました。 躍進の背景には、正攻法のマーケティング戦略を着実に実行したことに加え、球場内にとどまっていたサービスの取り組みを球場の外にまで広げるという、文字通り発想の転換がありました。 ベイスターズという球団は2019年のシーズンをチームとともにどう戦い、これからどのように事業を拡大していこうとしているのでしょうか? 今回は横浜DeNAベイスターズ執行役員 事業本部本部長の木村洋太さんに話を聞きました。 横浜DeNA ベイスターズにとって創設70 年となる節目の年ですが、選手だけでなく、観客動員数が右肩上がりで成長を続ける球団経営側にとっても、勝負の年になりますね。 全ての面で、70年間で一番の状況を目指します。 チームのシーズンスローガンも「Go Beyond the Limit. 」、「限界を超えろ」 になりましたから、観客動員数などの数字面だけでなく、お客様の体験価値という点でも、「こんな感動、初めて!」という刺激や熱狂をご提供したいと考えております。 一方でお客様の中には「1998年に日本一になったときの熱狂には、まだ届いていない」という声もたくさんあるんです。 ですから、自分たちが定量的に示せるようなデータや、想像の範囲内の施策だけでは弱いと考えています。 そうではなく、横浜の街中がベイスターズの熱狂に包まれるような、いやもっと、日本中が「2019年はベイスターズの年だったね」と言われるような旋風を巻き起こすことが、70年の時を超えた「Go Beyond the Limit. 」だと捉えています。 8 倍となる200 万人を突破。 横浜スタジアムの動員率は97. 4 %に上り、「チケットが取りにくい」とまで言われています。 ファンクラブの会員数も2011 年の14. 4 倍に当たる92,461 人に達しました。 チームは2018 年4 位に終わったのに、一体どんな手を打ったのですか? 戦略ターゲットの設定と、「どのように見られたいか」という「ブランド像」の再定義という極めて正攻法のマーケティングを行い、そこから導き出された結果を社内に浸透させていっただけです。 戦略ターゲットの設定は2013年夏頃から取り組み始め、Webやモバイルを使ったアンケートをはじめ、対面インタビューを行って定量的なデータを集めました。 その結果、我々が施策を打つべき戦略ターゲットは、20代後半から30代の比較的社交的な男性で、例えば週末にはスポーツ観戦だけでなく、家族でバーベキューやキャンプに行ったり、音楽フェスやライブに出掛けたりするアクティブな方々だという姿が見えてきました。 我々は彼らを「アクティブサラリーマン」と名づけて、社内に浸透させ、イベントやプロモーションなどの集客施策をターゲットに向けて打っていきました。 「アクティブサラリーマン」は、球場に女性や子供を連れてきてくれるという点も大きなポイントです。 これまで我々がさまざまな情報を発信しても女性や子供にダイレクトに届くことはあまりなかったのですが、施策実施後に増加した女性や子供のお客様に話を聞くと、「男性に誘われてきた」という回答を多数得られました。 そのため、全体的な観客動員数の底上げを図るという意味でも、引き続き起点は「アクティブサラリーマン」に置くべきだと考えています。 例えば「広島」というキーワードであれば、「カープ」「お好み焼き」「厳島神社」などいくつかの言葉が思い浮かびますが、その中に球団のカープがきちんと入っていると思うんです。 一方、「横浜」と言われて先に出てくるのは、「中華街」「みなとみらい」「山下公園」のような言葉であって、「ベイスターズ」がパッと出てくる人はそれほど多くないでしょう。 「ベイスターズ」が上位に出てくるためにはどうすれば良いか。 そのためには、「まず横浜っぽくなろう」となりました。 では、「横浜っぽい」とは何か?顧客アンケートを取って突き詰めていくと、「海」「港」「国際的」「おしゃれ」というキーワードがいくつか上がってきましたので、海に近い国際的でおしゃれな港町というイメージに、まず選手のユニフォームやスタッフのウェアを寄せていき、その世界観を顕在的・潜在的に統一していきました。 職員と選手が同じベクトルを向いて進めたことで、一体感が活気となってお客様に伝わりました。 中でも中畑清監督(当時)が球団側の意図を理解してさまざまな形で情報発信してくれたのが力になりました。 中畑監督は「プロとは、見られてなんぼのお客さん商売だ」というマインドをお持ちでした。 あとは、「ハマの番長」こと三浦大輔選手(現投手コーチ)がファンサービスの重要性を理解して若い選手を引っ張ってくれたことで、「ベイスターズが何か面白そうなことをやっている」という雰囲気を横浜市民の皆さんに効果的にお伝えできたと思います。 我々の施策だけでなく、チームの成績ももちろん大きいです。 チームは昨年4位でしたが、2016年にクライマックスシリーズ、17年には日本シリーズ進出を果たしています。 我々も試合の盛り上げに貢献できるようなカッコいいクリエイティブや映像、音楽を作っているつもりですが、筒香選手のホームランにはかないません(笑)。 もっとも、あっさりした試合のときでも、お客様に楽しんでいただけるような工夫をするのは我々の役目です。 あとは横浜スタジアムの形状もポイントの1つです。 横浜スタジアムは一層式のすり鉢状になっていて、お客様の歓声が反響しやすく、球場の盛り上がりをより体感しやすい構造なんです。 これらのことが全て相乗効果となり、お客様がリピーターとなって球場に駆けつけてくれる良いサイクルが生まれて、結果につながっているのだと考えています。 どんなにアンケートを取ったり数字を分析したりしても、施策の当たり外れはお客様の雰囲気を見れば肌感覚でわかります。 例えば B to Cの食品メーカーの場合では、その食品を家族や友人・知人、あるいはレストランで食べている人の姿をたまたま見かけることはあっても、何万人のお客様が一斉に食べているシーンを見る機会なんて、そんなに多くはないと思うんです。 そうではなく、素の心でサービスを味わってくれる大勢のお客様に目の前で何度も接する機会を与えられているという点は、良くも悪くもベースボール・マーケティングの醍醐味だと思います。 地元の新聞やテレビ局が大々的に取り上げてくれる地方の球団と、首都圏の球団では立ち位置が異なるからです。 Web メディアの場合、最初は能動的な人にしかメッセージが届かないかもしれないので、昨今重要視されている「拡散」を意識する必要があります。 そういう背景から遅ればせながらTwitterやInstagramを2018年より始めました。 なぜ手をこまねいていたかというと、中途半端なクオリティの情報を発信して、「ダサい」「面白くない」と思われたら、逆効果になって今後見向きもされなくなるおそれがあるからです。 選手がダサく見えるようなことは絶対にやりたくありません。 試合結果の数字だけを流しても目に留まりませんので、カッコいいクリエイティブを必ず一緒に上げるようにしています。 ただ、「ダサい」といっても判断基準は属人的になりがちなので、10人が見たときに8人から9人が「カッコいい」「クール」と感じられるような工夫を外部の専門家を交えて作っているという状況です。 高性能のスマートフォンが広く普及している時代ですから、写真の専門家でもない担当者が簡単に撮影して、メモ書き程度のコメントをつけてツイートするほうが楽だし、スピーディでしょう。 しかし、それではベイスターズのブランディングにはつながらないし、我々が目指しているところはそこではないな、と。 とはいえ、担当は異動や退職などで代わる可能性がありますので、SNSを本格的にスタートさせる前に、属人化を排除して継続性のある体制をつくりました。 現在は、クオリティとクオンティティのバランスに気をつけながら運用をしています。 バズらせにいこうと思ってバズらせられるほど、安易ではないと思っていますが、バズることが期待される要素があるときは、少しでもバズりそうな表現を使うことはあります。 ただ、我々はそういう偶発的なことに期待するよりも、写真や動画のクオリティにこだわることが大事だと考えています。 「バズる」というのは偶発的な要素もあり、トップラインを上げる行為ですが、ここを最大化するためには、クオリティを常にきちんと担保して、ベースラインを上げておくことが重要だと思います。 発想を球場の中だけでなく外にも広げるという画期的な施策として話題ですが、もともとのきっかけと将来の展望を教えてください。 きっかけは、2012年くらいから球場改修を進めていく中で生まれた「コミュニティボールパーク」化構想です。 これは野球好きな人だけでなく、野球を生で観戦したことがない人でも、同僚や友人、家族らと集まって気軽に楽しめる場をつくることを目的としたもので、地域や職場のさまざまなコミュニティが野球をキーワードに集まるランドマークになりたいという考えを基にしています。 その取り組みを進める中で、2015年頃から顧客接点を増やして滞在時間をできるだけ長くしてもらうには、どうすればいいかという議論が浮上しました。 野球というコンテンツだけでは、おそらく球場内だけにとどまるので、滞在時間はなかなか増えません。 ただ、横浜スタジアムは幸い、横浜公園の中にありますので、公園内で遊具を出したり、ビアガーデンを開いたりという仕掛けをしていけば、より長い滞在時間を獲得できるのではないかという考えはありました。 そうすれば消費も増えるし、ベイスターズへの愛着も増していただけるだろう、と。 そのように最初は球場内、次に公園内に枠を広げて施策を考えていたのですが、次第に「ゴールはどこだろう?」という話になっていったんです。 議論を深めているうちに「これまではベイスターズのサービスの定義を公園内にとどめていたけど、もう少し枠を広げて周辺の街全体を舞台に考えても良いのではないか」「周辺の街がベイスターズの雰囲気をまとっていたら、そこにいていただけるだけで我々と顧客との接点になるし、消費にもつながっていくはず」「単位時間あたりの売り上げは低下しても、広い視点で見たら球団の収益につながるだけでなく、周辺経済を活性化させられるのではないか」と、どんどん発想が広がっていきました。 今考えると、球場が満員になっていく過程で、次第に施策が球場の外へと広がっていったのは必然なのかなと考えています。 シェアオフィスやカフェ、フィットネススタジオなどが入っていて、これから横浜スポーツタウン構想の情報発信基地にしていこうと考えています。 今後は飲食店なども増やしていき、横浜市民の日常の中にベイスターズを浸透させていくつもりです。 地域のアイコン、市民のアイデンティティへ もう1つは、球場周辺で新たなビジネスを生み出すという展開を描いています。 イメージとしてはシリコンバレーのスポーツ版です。 シリコンバレーはもともと、IT企業のスタートアップが郊外の家を借りてビジネスを始めたところからスタートしています。 そのうちに成功する会社が増え始め、噂を聞きつけた他の企業も「周辺で仕事をしたほうが効率が良い」と考えてシリコンバレーに集まり、街が発展してきました。 それと同じように、「ベイスターズと一緒に仕事をすると事業の成長につながる」と考えるスタートアップやメーカーなどが球場周辺を中心に横浜市内に集まってきて、産業創出の流れを生み出すことができたら面白いのではないかと考えています。 もちろん、ベイスターズだけと連携するのではなく、周辺に集まってきた魅力的な企業同士が結びついて網の目のようにビジネスネットワークが広がっていけば、それに伴って新たな商業施設やホテルなども誕生するでしょうし、スポーツをきっかけとした街づくりができます。 そういう「スポーツタウン」構想を横浜市などとも連携しながら進めているところです。 ただそれは今年どうこうという話ではなく、10年、15年、20年というスパンで考えた話ですね。 そう考えると、スポーツビジネスの可能性は大きいですね。 そうですね。 知名度の割にビジネスの規模が小さいので、そのギャップがポテンシャルだと思っています。 その意味でも我々球団側が稼いで、チームがなくならないようにすることが大前提です。 ホエールズからベイスターズまで70年の歴史を通して見ると、最初は山口県下関市で誕生して、大阪に少し滞在してから川崎に移り、それから横浜で40年という状況です。 転々と本拠地が変わっているわけで、地域性という点で言うと、土着感はまだ十分ではないと思っています。 図版作成:Marketing Native編集部 オーナー会社もマルハ(現マルハニチロ株式会社)さんやTBS(株式会社東京放送ホールディングス)さん、そして今DeNAと変わっています。 他球団でも同様のケースはありますが、地域もオーナー会社も変わるという不安定な状況の原因は、チームが弱くて、球団の財政も良くないという背景があるのが一般的です。 だから財政面の健全化を進めるとともにチームを強くすることは、横浜という街にベイスターズというチームをずっと存続させるための必要条件なんです。 すぐに親会社が変わって、次はどこに行くかわからないという見られ方をしているチームは、地域のアイコンにはなり得ませんし、ファンも定着しないでしょう。 だからこそ我々は球団の利益体質を強化していますし、横浜スタジアムはもちろん、ファームの施設にも投資をして、横浜市民が誇りを持てるような強いチームにすべく取り組みを進めています。 そうですね。 地域のアイコンになるとともに、横浜市民にとって1つのアイデンティティのような存在になっていきたいですね。 我々は生活必需品ではなく、余暇ビジネスです。 だからこそ多くの方々に興奮や感動を与えていきたいし、感情面でより共感していただけるようになりたい。 そのためには、球場を常に満員にするというブランディングがとても重要だと考えています。 今年は球団創設70年の年ですし、その点には強くこだわっていきます。 ありがとうございました。 グループ内の対話形式で、意見を自由に発言し合う。 ベイスターズが運営する会員制シェアオフィス&コワーキングスペースをはじめ、野球文化の香り漂うカフェ&ダイニング、グッズショップ、フィットネススタジオが設けられている。 木村 洋太(きむら・ようた) 横浜DeNAベイスターズ執行役員/事業本部本部長兼ブランド統括本部本部長。 米系戦略コンサルティングファームを経て、2012年横浜DeNAベイスターズに入社。 横浜スタジアムの改修計画「コミュニティボールパーク」化構想から発展した「横浜スポーツタウン構想」、IT戦略策定、「THE BAYS」などの新規事業開発も手掛ける。 [記事執筆者] 早川巧 株式会社CINC社員編集者。 Twitter:.

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DeNA買収から丸5年。低迷期を脱却し生まれ変わったベイスターズの今

横浜 dena ベイスターズ

生年月日 備考 80 A.ラミレス 1974. 03 No. 生年月日 身長 体重 投 打 備考 11 1995. 29 170 76 左 左 12 1999. 15 187 83 右 左 13 1998. 07 182 90 右 右 14 1993. 01 180 85 左 左 15 1986. 01 188 94 右 右 16 1994. 03 181 73 右 右 17 1990. 07 176 80 右 左右 19 1992. 02 179 88 右 右 20 1997. 28 180 85 左 左 21 1993. 01 178 85 左 左 24 1994. 07 176 85 右 右 26 1995. 16 173 80 左 左 27 1996. 31 182 83 右 右 28 2000. 22 180 86 右 左 30 1996. 11 188 90 右 左 34 1989. 29 182 85 右 右 35 1989. 10 190 90 右 右 41 1999. 25 178 86 左 左 43 1992. 16 186 90 右 右 45 1991. 05 196 86 右 右 47 1995. 20 180 85 左 左 48 1998. 04 182 77 右 右 49 1990. 14 180 87 右 右 53 1988. 20 185 91 右 右 54 2001. 23 182 87 右 右 56 1993. 27 185 90 左 左 58 1989. 14 178 85 右 右 59 1995. 12 180 80 右 右 62 1992. 22 188 102 左 左 67 1993. 20 180 80 左 左 68 1985. 12 177 81 右 左 92 1991. 24 196 106 右 右 93 1999. 02 178 79 右 右 94 1994. 07 179 90 右 右 No. 生年月日 身長 体重 投 打 備考 10 1990. 11 179 90 右 左 29 1989. 23 180 83 右 右 32 2000. 27 176 83 右 右 36 1993. 03 176 83 右 右 39 1991. 04 175 85 右 右 50 1998. 11 180 82 右 右 57 2001. 03 172 77 右 右 No. 生年月日 身長 体重 投 打 備考 0 1989. 27 183 88 右 右 2 1983. 24 183 103 右 右 4 1996. 30 182 93 右 右 5 1991. 07 180 82 右 左 6 2002. 28 175 75 右 左 9 1987. 05 177 72 右 右 23 1991. 06 188 100 右 右 31 1993. 16 167 68 右 左 38 1993. 31 173 80 右 左 40 1991. 17 181 92 右 右 42 1986. 10 183 78 右 左 44 1994. 28 178 88 右 左 51 1988. 12 172 85 右 右 55 2001. 22 185 83 右 右 60 1999. 16 182 85 右 右 64 1997. 11 178 78 右 左 99 1989. 28 185 97 右 右 No. 生年月日 身長 体重 投 打 備考 00 1996. 24 178 86 右 左 1 1993. 21 174 78 右 右 3 1988. 28 180 88 右 左 8 1994. 17 179 81 右 左 33 1994. 06 183 83 右 左 37 1995. 07 180 77 右 左 52 1998. 04 179 93 右 右 61 1997. 20 185 88 右 右 63 1995. 28 173 78 左 左.

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横浜DeNAベイスターズとKDDI、5G時代の「スマートスタジアム」構築実現に向けパートナー契約を締結

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横浜DeNAベイスターズは2019年、球団創設70年の節目を迎えます。 ベイスターズはDeNAがオーナー会社になった2011年以降、観客動員数、ファンクラブの会員数などが右肩上がりに増え続け、今では「チケットが取りにくい」と言われるほどの人気球団へと成長しました。 躍進の背景には、正攻法のマーケティング戦略を着実に実行したことに加え、球場内にとどまっていたサービスの取り組みを球場の外にまで広げるという、文字通り発想の転換がありました。 ベイスターズという球団は2019年のシーズンをチームとともにどう戦い、これからどのように事業を拡大していこうとしているのでしょうか? 今回は横浜DeNAベイスターズ執行役員 事業本部本部長の木村洋太さんに話を聞きました。 横浜DeNA ベイスターズにとって創設70 年となる節目の年ですが、選手だけでなく、観客動員数が右肩上がりで成長を続ける球団経営側にとっても、勝負の年になりますね。 全ての面で、70年間で一番の状況を目指します。 チームのシーズンスローガンも「Go Beyond the Limit. 」、「限界を超えろ」 になりましたから、観客動員数などの数字面だけでなく、お客様の体験価値という点でも、「こんな感動、初めて!」という刺激や熱狂をご提供したいと考えております。 一方でお客様の中には「1998年に日本一になったときの熱狂には、まだ届いていない」という声もたくさんあるんです。 ですから、自分たちが定量的に示せるようなデータや、想像の範囲内の施策だけでは弱いと考えています。 そうではなく、横浜の街中がベイスターズの熱狂に包まれるような、いやもっと、日本中が「2019年はベイスターズの年だったね」と言われるような旋風を巻き起こすことが、70年の時を超えた「Go Beyond the Limit. 」だと捉えています。 8 倍となる200 万人を突破。 横浜スタジアムの動員率は97. 4 %に上り、「チケットが取りにくい」とまで言われています。 ファンクラブの会員数も2011 年の14. 4 倍に当たる92,461 人に達しました。 チームは2018 年4 位に終わったのに、一体どんな手を打ったのですか? 戦略ターゲットの設定と、「どのように見られたいか」という「ブランド像」の再定義という極めて正攻法のマーケティングを行い、そこから導き出された結果を社内に浸透させていっただけです。 戦略ターゲットの設定は2013年夏頃から取り組み始め、Webやモバイルを使ったアンケートをはじめ、対面インタビューを行って定量的なデータを集めました。 その結果、我々が施策を打つべき戦略ターゲットは、20代後半から30代の比較的社交的な男性で、例えば週末にはスポーツ観戦だけでなく、家族でバーベキューやキャンプに行ったり、音楽フェスやライブに出掛けたりするアクティブな方々だという姿が見えてきました。 我々は彼らを「アクティブサラリーマン」と名づけて、社内に浸透させ、イベントやプロモーションなどの集客施策をターゲットに向けて打っていきました。 「アクティブサラリーマン」は、球場に女性や子供を連れてきてくれるという点も大きなポイントです。 これまで我々がさまざまな情報を発信しても女性や子供にダイレクトに届くことはあまりなかったのですが、施策実施後に増加した女性や子供のお客様に話を聞くと、「男性に誘われてきた」という回答を多数得られました。 そのため、全体的な観客動員数の底上げを図るという意味でも、引き続き起点は「アクティブサラリーマン」に置くべきだと考えています。 例えば「広島」というキーワードであれば、「カープ」「お好み焼き」「厳島神社」などいくつかの言葉が思い浮かびますが、その中に球団のカープがきちんと入っていると思うんです。 一方、「横浜」と言われて先に出てくるのは、「中華街」「みなとみらい」「山下公園」のような言葉であって、「ベイスターズ」がパッと出てくる人はそれほど多くないでしょう。 「ベイスターズ」が上位に出てくるためにはどうすれば良いか。 そのためには、「まず横浜っぽくなろう」となりました。 では、「横浜っぽい」とは何か?顧客アンケートを取って突き詰めていくと、「海」「港」「国際的」「おしゃれ」というキーワードがいくつか上がってきましたので、海に近い国際的でおしゃれな港町というイメージに、まず選手のユニフォームやスタッフのウェアを寄せていき、その世界観を顕在的・潜在的に統一していきました。 職員と選手が同じベクトルを向いて進めたことで、一体感が活気となってお客様に伝わりました。 中でも中畑清監督(当時)が球団側の意図を理解してさまざまな形で情報発信してくれたのが力になりました。 中畑監督は「プロとは、見られてなんぼのお客さん商売だ」というマインドをお持ちでした。 あとは、「ハマの番長」こと三浦大輔選手(現投手コーチ)がファンサービスの重要性を理解して若い選手を引っ張ってくれたことで、「ベイスターズが何か面白そうなことをやっている」という雰囲気を横浜市民の皆さんに効果的にお伝えできたと思います。 我々の施策だけでなく、チームの成績ももちろん大きいです。 チームは昨年4位でしたが、2016年にクライマックスシリーズ、17年には日本シリーズ進出を果たしています。 我々も試合の盛り上げに貢献できるようなカッコいいクリエイティブや映像、音楽を作っているつもりですが、筒香選手のホームランにはかないません(笑)。 もっとも、あっさりした試合のときでも、お客様に楽しんでいただけるような工夫をするのは我々の役目です。 あとは横浜スタジアムの形状もポイントの1つです。 横浜スタジアムは一層式のすり鉢状になっていて、お客様の歓声が反響しやすく、球場の盛り上がりをより体感しやすい構造なんです。 これらのことが全て相乗効果となり、お客様がリピーターとなって球場に駆けつけてくれる良いサイクルが生まれて、結果につながっているのだと考えています。 どんなにアンケートを取ったり数字を分析したりしても、施策の当たり外れはお客様の雰囲気を見れば肌感覚でわかります。 例えば B to Cの食品メーカーの場合では、その食品を家族や友人・知人、あるいはレストランで食べている人の姿をたまたま見かけることはあっても、何万人のお客様が一斉に食べているシーンを見る機会なんて、そんなに多くはないと思うんです。 そうではなく、素の心でサービスを味わってくれる大勢のお客様に目の前で何度も接する機会を与えられているという点は、良くも悪くもベースボール・マーケティングの醍醐味だと思います。 地元の新聞やテレビ局が大々的に取り上げてくれる地方の球団と、首都圏の球団では立ち位置が異なるからです。 Web メディアの場合、最初は能動的な人にしかメッセージが届かないかもしれないので、昨今重要視されている「拡散」を意識する必要があります。 そういう背景から遅ればせながらTwitterやInstagramを2018年より始めました。 なぜ手をこまねいていたかというと、中途半端なクオリティの情報を発信して、「ダサい」「面白くない」と思われたら、逆効果になって今後見向きもされなくなるおそれがあるからです。 選手がダサく見えるようなことは絶対にやりたくありません。 試合結果の数字だけを流しても目に留まりませんので、カッコいいクリエイティブを必ず一緒に上げるようにしています。 ただ、「ダサい」といっても判断基準は属人的になりがちなので、10人が見たときに8人から9人が「カッコいい」「クール」と感じられるような工夫を外部の専門家を交えて作っているという状況です。 高性能のスマートフォンが広く普及している時代ですから、写真の専門家でもない担当者が簡単に撮影して、メモ書き程度のコメントをつけてツイートするほうが楽だし、スピーディでしょう。 しかし、それではベイスターズのブランディングにはつながらないし、我々が目指しているところはそこではないな、と。 とはいえ、担当は異動や退職などで代わる可能性がありますので、SNSを本格的にスタートさせる前に、属人化を排除して継続性のある体制をつくりました。 現在は、クオリティとクオンティティのバランスに気をつけながら運用をしています。 バズらせにいこうと思ってバズらせられるほど、安易ではないと思っていますが、バズることが期待される要素があるときは、少しでもバズりそうな表現を使うことはあります。 ただ、我々はそういう偶発的なことに期待するよりも、写真や動画のクオリティにこだわることが大事だと考えています。 「バズる」というのは偶発的な要素もあり、トップラインを上げる行為ですが、ここを最大化するためには、クオリティを常にきちんと担保して、ベースラインを上げておくことが重要だと思います。 発想を球場の中だけでなく外にも広げるという画期的な施策として話題ですが、もともとのきっかけと将来の展望を教えてください。 きっかけは、2012年くらいから球場改修を進めていく中で生まれた「コミュニティボールパーク」化構想です。 これは野球好きな人だけでなく、野球を生で観戦したことがない人でも、同僚や友人、家族らと集まって気軽に楽しめる場をつくることを目的としたもので、地域や職場のさまざまなコミュニティが野球をキーワードに集まるランドマークになりたいという考えを基にしています。 その取り組みを進める中で、2015年頃から顧客接点を増やして滞在時間をできるだけ長くしてもらうには、どうすればいいかという議論が浮上しました。 野球というコンテンツだけでは、おそらく球場内だけにとどまるので、滞在時間はなかなか増えません。 ただ、横浜スタジアムは幸い、横浜公園の中にありますので、公園内で遊具を出したり、ビアガーデンを開いたりという仕掛けをしていけば、より長い滞在時間を獲得できるのではないかという考えはありました。 そうすれば消費も増えるし、ベイスターズへの愛着も増していただけるだろう、と。 そのように最初は球場内、次に公園内に枠を広げて施策を考えていたのですが、次第に「ゴールはどこだろう?」という話になっていったんです。 議論を深めているうちに「これまではベイスターズのサービスの定義を公園内にとどめていたけど、もう少し枠を広げて周辺の街全体を舞台に考えても良いのではないか」「周辺の街がベイスターズの雰囲気をまとっていたら、そこにいていただけるだけで我々と顧客との接点になるし、消費にもつながっていくはず」「単位時間あたりの売り上げは低下しても、広い視点で見たら球団の収益につながるだけでなく、周辺経済を活性化させられるのではないか」と、どんどん発想が広がっていきました。 今考えると、球場が満員になっていく過程で、次第に施策が球場の外へと広がっていったのは必然なのかなと考えています。 シェアオフィスやカフェ、フィットネススタジオなどが入っていて、これから横浜スポーツタウン構想の情報発信基地にしていこうと考えています。 今後は飲食店なども増やしていき、横浜市民の日常の中にベイスターズを浸透させていくつもりです。 地域のアイコン、市民のアイデンティティへ もう1つは、球場周辺で新たなビジネスを生み出すという展開を描いています。 イメージとしてはシリコンバレーのスポーツ版です。 シリコンバレーはもともと、IT企業のスタートアップが郊外の家を借りてビジネスを始めたところからスタートしています。 そのうちに成功する会社が増え始め、噂を聞きつけた他の企業も「周辺で仕事をしたほうが効率が良い」と考えてシリコンバレーに集まり、街が発展してきました。 それと同じように、「ベイスターズと一緒に仕事をすると事業の成長につながる」と考えるスタートアップやメーカーなどが球場周辺を中心に横浜市内に集まってきて、産業創出の流れを生み出すことができたら面白いのではないかと考えています。 もちろん、ベイスターズだけと連携するのではなく、周辺に集まってきた魅力的な企業同士が結びついて網の目のようにビジネスネットワークが広がっていけば、それに伴って新たな商業施設やホテルなども誕生するでしょうし、スポーツをきっかけとした街づくりができます。 そういう「スポーツタウン」構想を横浜市などとも連携しながら進めているところです。 ただそれは今年どうこうという話ではなく、10年、15年、20年というスパンで考えた話ですね。 そう考えると、スポーツビジネスの可能性は大きいですね。 そうですね。 知名度の割にビジネスの規模が小さいので、そのギャップがポテンシャルだと思っています。 その意味でも我々球団側が稼いで、チームがなくならないようにすることが大前提です。 ホエールズからベイスターズまで70年の歴史を通して見ると、最初は山口県下関市で誕生して、大阪に少し滞在してから川崎に移り、それから横浜で40年という状況です。 転々と本拠地が変わっているわけで、地域性という点で言うと、土着感はまだ十分ではないと思っています。 図版作成:Marketing Native編集部 オーナー会社もマルハ(現マルハニチロ株式会社)さんやTBS(株式会社東京放送ホールディングス)さん、そして今DeNAと変わっています。 他球団でも同様のケースはありますが、地域もオーナー会社も変わるという不安定な状況の原因は、チームが弱くて、球団の財政も良くないという背景があるのが一般的です。 だから財政面の健全化を進めるとともにチームを強くすることは、横浜という街にベイスターズというチームをずっと存続させるための必要条件なんです。 すぐに親会社が変わって、次はどこに行くかわからないという見られ方をしているチームは、地域のアイコンにはなり得ませんし、ファンも定着しないでしょう。 だからこそ我々は球団の利益体質を強化していますし、横浜スタジアムはもちろん、ファームの施設にも投資をして、横浜市民が誇りを持てるような強いチームにすべく取り組みを進めています。 そうですね。 地域のアイコンになるとともに、横浜市民にとって1つのアイデンティティのような存在になっていきたいですね。 我々は生活必需品ではなく、余暇ビジネスです。 だからこそ多くの方々に興奮や感動を与えていきたいし、感情面でより共感していただけるようになりたい。 そのためには、球場を常に満員にするというブランディングがとても重要だと考えています。 今年は球団創設70年の年ですし、その点には強くこだわっていきます。 ありがとうございました。 グループ内の対話形式で、意見を自由に発言し合う。 ベイスターズが運営する会員制シェアオフィス&コワーキングスペースをはじめ、野球文化の香り漂うカフェ&ダイニング、グッズショップ、フィットネススタジオが設けられている。 木村 洋太(きむら・ようた) 横浜DeNAベイスターズ執行役員/事業本部本部長兼ブランド統括本部本部長。 米系戦略コンサルティングファームを経て、2012年横浜DeNAベイスターズに入社。 横浜スタジアムの改修計画「コミュニティボールパーク」化構想から発展した「横浜スポーツタウン構想」、IT戦略策定、「THE BAYS」などの新規事業開発も手掛ける。 [記事執筆者] 早川巧 株式会社CINC社員編集者。 Twitter:.

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