マスター ボール 使い道。 【ポケモンソードシールド】マスターボールの入手場所

【ポケモン剣盾】マスターボールの入手方法と効果【ソードシールド】|ゲームエイト

マスター ボール 使い道

・暖かい目で見てください ・キバナさんの片想い ・チャンピオンになって数年後 ・キバナ、ダンデ、ソニアはジムチャレンジャー時代同期設定 ・読んだ後の苦情は受け付けません [newpage] シャラーーーン!!! 「ロミ~~!!!下5ケタ すべてが おんなじロ! そんな マーベラスな 奇跡には 特賞の 商品 マスターボールを プレゼントだロ!!」 毎日の日課でポケセンのロトミに寄り、IDくじを引いていたらまさかの特賞を貰ってしまった。 いつもの2桁とかでポイントアップなのだが特賞のマスターボールなんて初めて当たった。 こんなことあるんだとびっくりする。 「わ、本当に貰っちゃった…」 以前マグノリア博士から貰ったのはザマゼンタに使っていたのでもう持つことはないと思っていたのに。 野生のポケモンを必ず捕まえられるボールだなんて出回っていないので嬉しい。 本当にいいの?とロトミに確認すると「おめでとロー!」と言われた。 大切にリュックにしまい、考える。 「何捕まえようかな」 語尾に音符でも付きそうなほどだった。 使うのは勿体ないと思いつつも、使わないのはもっと勿体ない。 気に入った子がいればボールなんて気にしないが、どうせだから中々捕まえれない子がいいのかも。 ポケモンの事に頭を使うのはとても楽しい。 しかも特別なボールを貰えたし。 わくわくしながらワイルドエリアに向かった。 キャンプを建てポケモンをボールから出し、テントを建てる。 結構奥まで自転車で走ったので周りを見てもトレーナーは誰もいない。 …と思ったが見覚えのある背格好が1人。 あれはキバナさんだ。 あちらも気付いたようで猛スピードでこちらにやって来る。 「ユウリー!!!好きだ!付き合ってくれ!」 「ありがとうございます、でもごめんなさい」 息も切らさずにこやかな問に対してこちらも笑顔で答える。 返事が不服だったようで、すぐに笑顔が崩れた。 「何でだ!運命だろ、こんな広いワイルドエリアで会ったんだから!」 「前にホップやビート君とも会いました」 「くっ、」 キバナさんは私が好きらしい。 それは別にこそこそと隠れて言うなんてものでもなくて、SNSでもTVでも誰といても気にせず言ってくる。 インタビューで関係の事を聞かれることも多く、しつこく困っていたらキバナさんが颯爽と現れて助けてくれることもある。 しかしそれはインタビュアーからしたら格好のネタにしかならないので更にヒートアップしてしまうのだが。 いい人だと思うしなんで私に好きだと言ってくれるのかわからないくらい格好いい。 彼は大人で、隣にいるのも綺麗な大人の人が似合う。 と思うのだが、キバナさんのファンは早く付き合いなよ、ユウリちゃんだったら許すなど、キバナさんを応援しているから不思議だ。 一緒にキャンプしようぜ、と返事を待たずに私のテントの横にテントを建て始める。 これはいつもの事で、キバナさんの手持ちのポケモンは私のポケモンとも仲良くて一緒になって遊んでいる。 ワイルドエリアだったらメディアはいないだろうし、まあいっか。 「今日はどっかのホテルに泊まるんだよな?」 「…」 「ダメだぞ!1人でキャンプの寝泊まりは危ないって言ってるだろ」 キバナさんが来なければ間違いなくテントで泊まっていたが、もう無理だろう。 でも今は1人じゃない。 「でも、キバナさんがいるなら安全ですよ」 「…あのなぁ、」 1人が危ないというのなら2人なら大丈夫。 キバナさんが帰らなきゃいけない用事があるのなら話は別だけど。 「俺はユウリが好きなんだぜ?そう言ってくれるのは嬉しいが、優しい兄貴じゃねぇんだ。 襲われても知らねぇよ?」 キバナさんはむすっとした顔をしてこちらを見る。 襲う?それって…。 ぼんっと赤くなる顔を見せないよう手で隠す。 そんな、はっきり言わなくても…! 今日はナックルシティのホテルに泊まろうな~と頭を撫でられる。 勝手に決められたが一番近いのがナックルシティなのでしょうがない。 諦めて今日はホテルに泊まろう。 2人でカレーの用意をした。 私は甘めが好きだが今日のように何度か一緒にキャンプをしているのでキバナさんは辛口が好きだと言うことは知っている。 甘めのカレーにしようと思っていたが、ピリ辛に変更しよう。 「ユウリ…!俺の好みに合わせてくれるのか!?」 クラボやマトマのみを入れる私に感動しているように見ている。 「はい!キバナさんがいるときくらいしか辛口作らないので、図鑑埋めです」 「き、厳しい…そこは嘘でもそうですって言ってくれ…」 少し落ち込んでいるキバナさんが面白く、くすくす笑っているとキバナさんも笑った。 ポケモンたちを呼び、皆でいただきますをしてカレーを食べ始める。 「旨い!これからも俺の為だけに作ってくれ!」 プロポーズに似た言葉を言われ、何と返事をしたらいいのかわからなくなる。 と言うかきっとプロポーズだろう。 「うーんキバナさんだけって言うのはちょっと…」 「他の男にも作るのか…?」 「言い方悪いですよ。 友だちにしか作りません」 「それ、俺の事も友だちって言ってるようなもんだぞ…」 浮き沈みが激しく、またしてもしなしなになっているキバナさんに前から思っていた疑問を訪ねた。 「…なんで私のこと好きって言ってくれるんですか?」 「好きだから」 キバナさんは少し目を伏せながら当たり前のように答える。 顔が赤くなっていく。 綺麗な横顔を見つつ、本当にこの人ははっきり言うな…と思う。 「言わずに後悔したくないんだ」 「後悔?」 「…ユウリがもうちょっと大人になってから好きって言おうと思ってたけど、その間に彼氏でも作られたらたまったもんじゃないからな」 本当は、待つのが大人なんだけど。 そう付け加えるとまたカレーを食べ始めた。 昔、何か後悔したことがあるんだろうか。 例えば、恋愛の事とか。 「私は…好きとかわからないです」 こうやって好きだと言い始めたのは確か私がチャンピオンになって少しした頃。 非公式でバトルをしたりポケモンについて話すことが増え、お兄ちゃんのように慕っていた時に告白された。 正直嬉しく思ったし好きだと思ったが、恋愛感情なのかわからなかった。 こんな曖昧な気持ちのまま返事する事は相手に失礼だと思い、何て言えばいいか迷っていると、キバナさんは待ってるからと言ってくれてたのでその言葉に今も甘えている。 「ゆっくり考えて、俺との未来を見てくれたらめっちゃくちゃ嬉しいけど、もしそうじゃなくても…諦めれるかわかんねぇけど」 カレーを食べ終えると一緒に片付けをして食後の運動という事でポケモンバトルをした。 私は結構押せ押せタイプだけど、キバナさんは天気を利用して戦うスタイルだから、戦っているだけで勉強になる。 終わった後の意見交換の時間はあっという間で、そろそろ帰ろうとホテルに向かう。 その間も色んな話をした。 ヌメルゴンに風呂上がり抱きつかれて2回シャワーを浴びたこと、好きなブランドが来月新作を発売するから楽しみだということ、私の好きそうなカフェが出来たから一緒に行こうとか。 私が飽きないようにいつも楽しい話を沢山してくれる。 この時間がもっと続けばいいのに、なんて思ってしまう。 ホテルに着くとキバナさんは名残惜しそうに私の頭を撫で、またな。 と言って別れた。 私がきちんとホテルに入るのを確認するまで見送ってくれる。 …本当、紳士だな。 部屋に入ってキバナさんにありがとうございましたとメッセージを送り、シャワーを浴びた。 ふかふかのベッドにダイブして今日の出来事を振り替える。 「あ…マスターボール使うの忘れてた」 その為にワイルドエリアに向かったのにすっかり忘れていた。 まあ急いで使うものでもないしいいか。 迫り来る睡魔に勝てず、心地よい疲れを落とすためそのまま眠りについた。 [newpage] 「ねぇ、チャンピオンじゃねえ?」 「え?まじ?」 「あ…こんにちは」 街を歩いていたら男性2人組に声をかけられた。 チャンピオンになって数年、そんな事は有り難いことに結構あって握手を求められたり応援してくれたりする。 自分のやる気にも繋がるのでとても嬉しい。 プライベートの時は写真はお断りしているが。 「こんな近くで初めて見た。 やっぱ可愛いね」 「俺らファンなんだよ」 「あ、ありがとうございます」 差し出された手に答えるように握手を交わす。 ここまではいつも通りだったが握手した手を離そうとしたが離れない。 「ねえ、今から飯行かない?」 「あ、いえ…すみません、そう言うのはちょっと…」 「いいじゃん!少しだけだし。 話聞かせてよ」 たまにこのようなナンパというか、誘われる事もあるが大抵は断れば残念~と言われることが多い。 多分キバナさんの影響だろう。 「あの、本当に…痛!」 彼らは嫌がる私を気にせず腕を引っ張って歩く。 振りほどこうにも振りほどけない。 大人の男の人を前に私はただただ無力だった。 「離してください!」 「まあまあ」 ご飯の誘いの割には人通りが少ない所を歩いている気がする。 どうしよう、このままでは本当にご飯だけじゃすまない気がする。 強い口調で言っても、振りほどこうと暴れるもびくともしない。 誰か助けて… キバナさん… 気付くとキバナさんを思い浮かべ涙が出てきた。 この人たちは人の話を聞かないし、腕が痛い。 歩くペースが速いから足がもた付く。 キバナさんはこんなことなかったのに。 いつも気にかけてくれて話を楽しそうに聞いてくれるし、私を楽しませてくれる。 歩幅も違うのに私のペースに合わせて隣を歩いてくれていた。 どこに連れてかれるんだろう。 もう怖いよ。 キバナさん… 「てめぇら、ユウリをどこ連れてくんだよ」 急に後ろから声がした。 はっとして振り向けば見たことないような怖い顔をしたキバナさん。 …嘘、本当に来てくれた。 「あ?…ってキバナ…」 「ちょ、やべぇって」 「何した」 「いや、別に、ご飯でもどうかなーって…」 「そ、そうそう!俺たちチャンピオンのファンでさ!」 ぱっと手を放され何もしてませんアピールをしている。 痛む手を抑えるとキバナさんはずんずんとこちらに歩いてきて私を引き寄せた。 「顔覚えたからな。 二度と近寄んじゃねぇ」 はい!すみませんでした!と走り去って行く2人。 手を出した訳でもないのに、凄い。 そしてキバナさんのこんな怖い声はじめて聞いた。 「遅くなってごめんな、腕痛いだろ。 ジムで冷やそう」 そう言うと私はお姫様抱っこをされた。 「え!あ、歩けます!」 「無理すんな。 膝震えてるぞ」 言われるまで気付かなかったが、確かに震えてる。 だからといってお姫様抱っこは恥ずかしい。 「でも、重いのに…」 「はあ?軽い軽い!もっと食えよ」 安心させるためか、いつの間にかいつものキバナさんに戻っていた。 もう素直に甘えてしまおう。 「やっぱりロトムブザー入れといて正解だったな」 「あ、それで…。 全然気付かなかった」 チャンピオンになってすぐ、未成年の私にいつ何が起こるかわからない、という理由でスマホロトムにブザーアプリを入れられた。 私の危険を察知しロトムの意志で今いるところから一番近いジムリーダーやダンデさんにメッセージが届くようになっている。 ロトムに感謝の気持ちを込めてポケットを撫でると、小さく震えた。 流石にこのまま人通りが多い所に出ると目立ってしまうので裏道をすいすい抜けてジムに入る。 ベンチに下ろされ、リョウタさんから保冷剤と濡れタオルを貰い腕を冷やした。 跡は残らなそうだ。 「跡は消えそうだな」 「はい」 「はぁーーー!よかった…」 今度はキバナさんが脱力して目の前でしゃがみこんでいる。 「ユウリに何かあったらと思うとめちゃくちゃ怖かった」 「キバナさん…」 「無事で…本当に…」 連絡を受けたとき慌ててきてくれたんだろう。 そう思うと何だか凄く嬉しくなった。 「助けてくれてありがとうございました」 「私、助けて欲しいって時に真っ先にキバナさんの顔が浮かんだんです」 「…え?」 「…だから、すごく嬉しかったです」 顔を上げたキバナさんがみるみる赤くなっていく。 キバナさんが目線の下にいるって珍しい事だ。 しかも顔が赤い。 いつもは心地いい筈の沈黙も、今日はなんだか耐えられない。 「…あ!何かお礼を!」 「いらねぇよ。 無事だったならそれでいい」 どこまでも優しい。 でも何かないかな、と考える。 そういえば良いのがあった。 「私、IDくじでマスターボール当てたんです」 「まじか!そりゃすげぇな」 「それで、これお礼にあげます!」 「…いやいや、ダメだろ」 「お礼なので受け取ってください!それに、私が持っていても宝の持ち腐れというか…」 ずいっと差し出したマスターボール。 こうなったら引かないことはよく知っているだろう。 貰った後改めて考えてみたが、私よりキバナさんに使ってほしい。 観念したようにキバナさんはゆっくりそれを受け取って、じっとそれを見つめている。 少しするとキバナさんが口を開けた。 「…俺が欲しいのはさ」 「?」 「…ユウリなんだけど?」 こつん、とおでこにマスターボールを当てられる。 なんだか変だ。 プロポーズ的な事を言われるのはいつもの事なのに心臓がばくばく音を鳴らし、顔が赤くなるのがわかる。 この人とずっと一緒にいたい、そばにいたい。 そう言えば前にワイルドエリアで会ったのもナックルシティに近かったし、今回もナックルシティだった。 無意識の内にキバナさんを探していたのかもしれない。 もしかして、私、 「好きになっちゃいました…」 「…え?」 「キバナさんの事…わ!」 抱き上げられたのは初めてで、急に目線が上がり驚く。 キバナさんの鍛えられた腕に抱かれ、体温を感じるとさらに心臓が早く動くのを感じた。 「お、下ろしてください!」 「無理だ!」 即答で答えられ抱き上げられたままくるくると回りだすので目が回ってしまい、思わず抱きついてしまった。 それに気を良くしたのか回るのをやめ更に強く抱きしめられた。 「夢じゃ、ねぇよな?」 「…夢じゃないです。 …言っときますけど、私はポケモンじゃないですからね」 「当たり前だろ?俺の嫁さんなんだから」 「嫁!?き、気が早いです!」 付き合ったばかりなのに嫁って!いくらなんでも早すぎる。 だからはっきり言い過ぎ…! そこでふと、思い出した。 そう言えば、後悔しない為に思ったことは言うことにしてるって言ってたな。 あの時は恋愛の事かも、なんて思っても気にならなかったが今はちょっと、いや、かなり気になる。 「そう言えば、言わずに後悔したくないって言ってましたよね?…あれ前に何かあったんですか?…もしかして恋愛関係とか…」 「ん?」 きょとんとした顔でこちらを見る。 何故いきなり?と顔に書いてあるので以前話したことを伝えた。 「あー!あれな、」 「言いづらかったら別に…」 「ユウリがヤキモチやいてる…!」 「ニヤニヤしないでください!」 「お前の心配するようなことは一切ねぇよ」 ぽんぽん、と頭を撫でられキバナさんは話し始めた。 「ジムチャレンジャー時代にダンデとバトルしたんだけどよ、バトル終わりにジュース買ってくるって言ったきり帰ってこなかったんだよ」 「はい」 「んで、場所はっきり言っときゃよかったなって」 「…ん?それだけ?」 「いや、めちゃくちゃ大変だったんだぞ!探すのに時間くったし、ジムチャレンジ遅れそうになるし!」 なんとかソニアが見つけたけどさ、と答えるキバナさんに嘘は見られない。 え、本当にそれだけ?安心したような、なんと言うか…。 キバナさんはヤキモチを焼いたのが嬉しかったようでまだニヤニヤしている。 もう!と怒るとごめんごめん、と言われ顔が近づく。 「改めて、好きです。 付き合ってください」 「…私も好きです。 よろしくお願いします」 同じ高さで見つめ合い照れてしまう。 顔も真っ赤だろう。 するとキバナさんのスマホロトムがポケットから出て来て、撮るロトよ~とカメラを向ける。 いきなりでこんな顔見せられないと思い反らそうとするもキバナさんに顔を押さえられカメラを向いてしまう。 パシャっとシャッターを切られた。 …絶対変な顔してる。 「け、消してください!」 「だーめ、可愛いから大丈夫」 写真を見ると顔を真っ赤にして慌てた顔の私と、満面の笑みを浮かべるキバナさん。 格好いいな…と思っている間にSNSに投稿された。 「え!投稿したんですか!?」 「おう!」 「~~~!」 嬉しくてつい!と無邪気に笑う彼に怒りたいのに嬉しくて、なんて言われたら強く言えない。 これが惚れた弱みか。 すぐに拡散されてもうトレンド入りしている。 SNSコワイ。 「よし!これであいつらを絞めれるな!」 「あいつら?」 「さっきの2人組。 絶対許さねぇ」 にこにこしながらも黒いオーラを放っている。 俺のユウリにベタベタ触りやがってと怒るキバナさんに、ほどほどに…と彼女になって最初のお願いは通じるのかはユウリ次第。 数年後、結婚して同じ家に住む部屋の一角に、マスターボールが飾られていた。 ・暖かい目で見てください ・キバナさんの片想い ・チャンピオンになって数年後 ・キバナ、ダンデ、ソニアはジムチャレンジャー時代同期設定 ・読んだ後の苦情は受け付けません [newpage] シャラーーーン!!! 「ロミ~~!!!下5ケタ すべてが おんなじロ! そんな マーベラスな 奇跡には 特賞の 商品 マスターボールを プレゼントだロ!!」 毎日の日課でポケセンのロトミに寄り、IDくじを引いていたらまさかの特賞を貰ってしまった。 いつもの2桁とかでポイントアップなのだが特賞のマスターボールなんて初めて当たった。 こんなことあるんだとびっくりする。 「わ、本当に貰っちゃった…」 以前マグノリア博士から貰ったのはザマゼンタに使っていたのでもう持つことはないと思っていたのに。 野生のポケモンを必ず捕まえられるボールだなんて出回っていないので嬉しい。 本当にいいの?とロトミに確認すると「おめでとロー!」と言われた。 大切にリュックにしまい、考える。 「何捕まえようかな」 語尾に音符でも付きそうなほどだった。 使うのは勿体ないと思いつつも、使わないのはもっと勿体ない。 気に入った子がいればボールなんて気にしないが、どうせだから中々捕まえれない子がいいのかも。 ポケモンの事に頭を使うのはとても楽しい。 しかも特別なボールを貰えたし。 わくわくしながらワイルドエリアに向かった。 キャンプを建てポケモンをボールから出し、テントを建てる。 結構奥まで自転車で走ったので周りを見てもトレーナーは誰もいない。 …と思ったが見覚えのある背格好が1人。 あれはキバナさんだ。 あちらも気付いたようで猛スピードでこちらにやって来る。 「ユウリー!!!好きだ!付き合ってくれ!」 「ありがとうございます、でもごめんなさい」 息も切らさずにこやかな問に対してこちらも笑顔で答える。 返事が不服だったようで、すぐに笑顔が崩れた。 「何でだ!運命だろ、こんな広いワイルドエリアで会ったんだから!」 「前にホップやビート君とも会いました」 「くっ、」 キバナさんは私が好きらしい。 それは別にこそこそと隠れて言うなんてものでもなくて、SNSでもTVでも誰といても気にせず言ってくる。 インタビューで関係の事を聞かれることも多く、しつこく困っていたらキバナさんが颯爽と現れて助けてくれることもある。 しかしそれはインタビュアーからしたら格好のネタにしかならないので更にヒートアップしてしまうのだが。 いい人だと思うしなんで私に好きだと言ってくれるのかわからないくらい格好いい。 彼は大人で、隣にいるのも綺麗な大人の人が似合う。 と思うのだが、キバナさんのファンは早く付き合いなよ、ユウリちゃんだったら許すなど、キバナさんを応援しているから不思議だ。 一緒にキャンプしようぜ、と返事を待たずに私のテントの横にテントを建て始める。 これはいつもの事で、キバナさんの手持ちのポケモンは私のポケモンとも仲良くて一緒になって遊んでいる。 ワイルドエリアだったらメディアはいないだろうし、まあいっか。 「今日はどっかのホテルに泊まるんだよな?」 「…」 「ダメだぞ!1人でキャンプの寝泊まりは危ないって言ってるだろ」 キバナさんが来なければ間違いなくテントで泊まっていたが、もう無理だろう。 でも今は1人じゃない。 「でも、キバナさんがいるなら安全ですよ」 「…あのなぁ、」 1人が危ないというのなら2人なら大丈夫。 キバナさんが帰らなきゃいけない用事があるのなら話は別だけど。 「俺はユウリが好きなんだぜ?そう言ってくれるのは嬉しいが、優しい兄貴じゃねぇんだ。 襲われても知らねぇよ?」 キバナさんはむすっとした顔をしてこちらを見る。 襲う?それって…。 ぼんっと赤くなる顔を見せないよう手で隠す。 そんな、はっきり言わなくても…! 今日はナックルシティのホテルに泊まろうな~と頭を撫でられる。 勝手に決められたが一番近いのがナックルシティなのでしょうがない。 諦めて今日はホテルに泊まろう。 2人でカレーの用意をした。 私は甘めが好きだが今日のように何度か一緒にキャンプをしているのでキバナさんは辛口が好きだと言うことは知っている。 甘めのカレーにしようと思っていたが、ピリ辛に変更しよう。 「ユウリ…!俺の好みに合わせてくれるのか!?」 クラボやマトマのみを入れる私に感動しているように見ている。 「はい!キバナさんがいるときくらいしか辛口作らないので、図鑑埋めです」 「き、厳しい…そこは嘘でもそうですって言ってくれ…」 少し落ち込んでいるキバナさんが面白く、くすくす笑っているとキバナさんも笑った。 ポケモンたちを呼び、皆でいただきますをしてカレーを食べ始める。 「旨い!これからも俺の為だけに作ってくれ!」 プロポーズに似た言葉を言われ、何と返事をしたらいいのかわからなくなる。 と言うかきっとプロポーズだろう。 「うーんキバナさんだけって言うのはちょっと…」 「他の男にも作るのか…?」 「言い方悪いですよ。 友だちにしか作りません」 「それ、俺の事も友だちって言ってるようなもんだぞ…」 浮き沈みが激しく、またしてもしなしなになっているキバナさんに前から思っていた疑問を訪ねた。 「…なんで私のこと好きって言ってくれるんですか?」 「好きだから」 キバナさんは少し目を伏せながら当たり前のように答える。 顔が赤くなっていく。 綺麗な横顔を見つつ、本当にこの人ははっきり言うな…と思う。 「言わずに後悔したくないんだ」 「後悔?」 「…ユウリがもうちょっと大人になってから好きって言おうと思ってたけど、その間に彼氏でも作られたらたまったもんじゃないからな」 本当は、待つのが大人なんだけど。 そう付け加えるとまたカレーを食べ始めた。 昔、何か後悔したことがあるんだろうか。 例えば、恋愛の事とか。 「私は…好きとかわからないです」 こうやって好きだと言い始めたのは確か私がチャンピオンになって少しした頃。 非公式でバトルをしたりポケモンについて話すことが増え、お兄ちゃんのように慕っていた時に告白された。 正直嬉しく思ったし好きだと思ったが、恋愛感情なのかわからなかった。 こんな曖昧な気持ちのまま返事する事は相手に失礼だと思い、何て言えばいいか迷っていると、キバナさんは待ってるからと言ってくれてたのでその言葉に今も甘えている。 「ゆっくり考えて、俺との未来を見てくれたらめっちゃくちゃ嬉しいけど、もしそうじゃなくても…諦めれるかわかんねぇけど」 カレーを食べ終えると一緒に片付けをして食後の運動という事でポケモンバトルをした。 私は結構押せ押せタイプだけど、キバナさんは天気を利用して戦うスタイルだから、戦っているだけで勉強になる。 終わった後の意見交換の時間はあっという間で、そろそろ帰ろうとホテルに向かう。 その間も色んな話をした。 ヌメルゴンに風呂上がり抱きつかれて2回シャワーを浴びたこと、好きなブランドが来月新作を発売するから楽しみだということ、私の好きそうなカフェが出来たから一緒に行こうとか。 私が飽きないようにいつも楽しい話を沢山してくれる。 この時間がもっと続けばいいのに、なんて思ってしまう。 ホテルに着くとキバナさんは名残惜しそうに私の頭を撫で、またな。 と言って別れた。 私がきちんとホテルに入るのを確認するまで見送ってくれる。 …本当、紳士だな。 部屋に入ってキバナさんにありがとうございましたとメッセージを送り、シャワーを浴びた。 ふかふかのベッドにダイブして今日の出来事を振り替える。 「あ…マスターボール使うの忘れてた」 その為にワイルドエリアに向かったのにすっかり忘れていた。 まあ急いで使うものでもないしいいか。 迫り来る睡魔に勝てず、心地よい疲れを落とすためそのまま眠りについた。 [newpage] 「ねぇ、チャンピオンじゃねえ?」 「え?まじ?」 「あ…こんにちは」 街を歩いていたら男性2人組に声をかけられた。 チャンピオンになって数年、そんな事は有り難いことに結構あって握手を求められたり応援してくれたりする。 自分のやる気にも繋がるのでとても嬉しい。 プライベートの時は写真はお断りしているが。 「こんな近くで初めて見た。 やっぱ可愛いね」 「俺らファンなんだよ」 「あ、ありがとうございます」 差し出された手に答えるように握手を交わす。 ここまではいつも通りだったが握手した手を離そうとしたが離れない。 「ねえ、今から飯行かない?」 「あ、いえ…すみません、そう言うのはちょっと…」 「いいじゃん!少しだけだし。 話聞かせてよ」 たまにこのようなナンパというか、誘われる事もあるが大抵は断れば残念~と言われることが多い。 多分キバナさんの影響だろう。 「あの、本当に…痛!」 彼らは嫌がる私を気にせず腕を引っ張って歩く。 振りほどこうにも振りほどけない。 大人の男の人を前に私はただただ無力だった。 「離してください!」 「まあまあ」 ご飯の誘いの割には人通りが少ない所を歩いている気がする。 どうしよう、このままでは本当にご飯だけじゃすまない気がする。 強い口調で言っても、振りほどこうと暴れるもびくともしない。 誰か助けて… キバナさん… 気付くとキバナさんを思い浮かべ涙が出てきた。 この人たちは人の話を聞かないし、腕が痛い。 歩くペースが速いから足がもた付く。 キバナさんはこんなことなかったのに。 いつも気にかけてくれて話を楽しそうに聞いてくれるし、私を楽しませてくれる。 歩幅も違うのに私のペースに合わせて隣を歩いてくれていた。 どこに連れてかれるんだろう。 もう怖いよ。 キバナさん… 「てめぇら、ユウリをどこ連れてくんだよ」 急に後ろから声がした。 はっとして振り向けば見たことないような怖い顔をしたキバナさん。 …嘘、本当に来てくれた。 「あ?…ってキバナ…」 「ちょ、やべぇって」 「何した」 「いや、別に、ご飯でもどうかなーって…」 「そ、そうそう!俺たちチャンピオンのファンでさ!」 ぱっと手を放され何もしてませんアピールをしている。 痛む手を抑えるとキバナさんはずんずんとこちらに歩いてきて私を引き寄せた。 「顔覚えたからな。 二度と近寄んじゃねぇ」 はい!すみませんでした!と走り去って行く2人。 手を出した訳でもないのに、凄い。 そしてキバナさんのこんな怖い声はじめて聞いた。 「遅くなってごめんな、腕痛いだろ。 ジムで冷やそう」 そう言うと私はお姫様抱っこをされた。 「え!あ、歩けます!」 「無理すんな。 膝震えてるぞ」 言われるまで気付かなかったが、確かに震えてる。 だからといってお姫様抱っこは恥ずかしい。 「でも、重いのに…」 「はあ?軽い軽い!もっと食えよ」 安心させるためか、いつの間にかいつものキバナさんに戻っていた。 もう素直に甘えてしまおう。 「やっぱりロトムブザー入れといて正解だったな」 「あ、それで…。 全然気付かなかった」 チャンピオンになってすぐ、未成年の私にいつ何が起こるかわからない、という理由でスマホロトムにブザーアプリを入れられた。 私の危険を察知しロトムの意志で今いるところから一番近いジムリーダーやダンデさんにメッセージが届くようになっている。 ロトムに感謝の気持ちを込めてポケットを撫でると、小さく震えた。 流石にこのまま人通りが多い所に出ると目立ってしまうので裏道をすいすい抜けてジムに入る。 ベンチに下ろされ、リョウタさんから保冷剤と濡れタオルを貰い腕を冷やした。 跡は残らなそうだ。 「跡は消えそうだな」 「はい」 「はぁーーー!よかった…」 今度はキバナさんが脱力して目の前でしゃがみこんでいる。 「ユウリに何かあったらと思うとめちゃくちゃ怖かった」 「キバナさん…」 「無事で…本当に…」 連絡を受けたとき慌ててきてくれたんだろう。 そう思うと何だか凄く嬉しくなった。 「助けてくれてありがとうございました」 「私、助けて欲しいって時に真っ先にキバナさんの顔が浮かんだんです」 「…え?」 「…だから、すごく嬉しかったです」 顔を上げたキバナさんがみるみる赤くなっていく。 キバナさんが目線の下にいるって珍しい事だ。 しかも顔が赤い。 いつもは心地いい筈の沈黙も、今日はなんだか耐えられない。 「…あ!何かお礼を!」 「いらねぇよ。 無事だったならそれでいい」 どこまでも優しい。 でも何かないかな、と考える。 そういえば良いのがあった。 「私、IDくじでマスターボール当てたんです」 「まじか!そりゃすげぇな」 「それで、これお礼にあげます!」 「…いやいや、ダメだろ」 「お礼なので受け取ってください!それに、私が持っていても宝の持ち腐れというか…」 ずいっと差し出したマスターボール。 こうなったら引かないことはよく知っているだろう。 貰った後改めて考えてみたが、私よりキバナさんに使ってほしい。 観念したようにキバナさんはゆっくりそれを受け取って、じっとそれを見つめている。 少しするとキバナさんが口を開けた。 「…俺が欲しいのはさ」 「?」 「…ユウリなんだけど?」 こつん、とおでこにマスターボールを当てられる。 なんだか変だ。 プロポーズ的な事を言われるのはいつもの事なのに心臓がばくばく音を鳴らし、顔が赤くなるのがわかる。 この人とずっと一緒にいたい、そばにいたい。 そう言えば前にワイルドエリアで会ったのもナックルシティに近かったし、今回もナックルシティだった。 無意識の内にキバナさんを探していたのかもしれない。 もしかして、私、 「好きになっちゃいました…」 「…え?」 「キバナさんの事…わ!」 抱き上げられたのは初めてで、急に目線が上がり驚く。 キバナさんの鍛えられた腕に抱かれ、体温を感じるとさらに心臓が早く動くのを感じた。 「お、下ろしてください!」 「無理だ!」 即答で答えられ抱き上げられたままくるくると回りだすので目が回ってしまい、思わず抱きついてしまった。 それに気を良くしたのか回るのをやめ更に強く抱きしめられた。 「夢じゃ、ねぇよな?」 「…夢じゃないです。 …言っときますけど、私はポケモンじゃないですからね」 「当たり前だろ?俺の嫁さんなんだから」 「嫁!?き、気が早いです!」 付き合ったばかりなのに嫁って!いくらなんでも早すぎる。 だからはっきり言い過ぎ…! そこでふと、思い出した。 そう言えば、後悔しない為に思ったことは言うことにしてるって言ってたな。 あの時は恋愛の事かも、なんて思っても気にならなかったが今はちょっと、いや、かなり気になる。 「そう言えば、言わずに後悔したくないって言ってましたよね?…あれ前に何かあったんですか?…もしかして恋愛関係とか…」 「ん?」 きょとんとした顔でこちらを見る。 何故いきなり?と顔に書いてあるので以前話したことを伝えた。 「あー!あれな、」 「言いづらかったら別に…」 「ユウリがヤキモチやいてる…!」 「ニヤニヤしないでください!」 「お前の心配するようなことは一切ねぇよ」 ぽんぽん、と頭を撫でられキバナさんは話し始めた。 「ジムチャレンジャー時代にダンデとバトルしたんだけどよ、バトル終わりにジュース買ってくるって言ったきり帰ってこなかったんだよ」 「はい」 「んで、場所はっきり言っときゃよかったなって」 「…ん?それだけ?」 「いや、めちゃくちゃ大変だったんだぞ!探すのに時間くったし、ジムチャレンジ遅れそうになるし!」 なんとかソニアが見つけたけどさ、と答えるキバナさんに嘘は見られない。 え、本当にそれだけ?安心したような、なんと言うか…。 キバナさんはヤキモチを焼いたのが嬉しかったようでまだニヤニヤしている。 もう!と怒るとごめんごめん、と言われ顔が近づく。 「改めて、好きです。 付き合ってください」 「…私も好きです。 よろしくお願いします」 同じ高さで見つめ合い照れてしまう。 顔も真っ赤だろう。 するとキバナさんのスマホロトムがポケットから出て来て、撮るロトよ~とカメラを向ける。 いきなりでこんな顔見せられないと思い反らそうとするもキバナさんに顔を押さえられカメラを向いてしまう。 パシャっとシャッターを切られた。 …絶対変な顔してる。 「け、消してください!」 「だーめ、可愛いから大丈夫」 写真を見ると顔を真っ赤にして慌てた顔の私と、満面の笑みを浮かべるキバナさん。 格好いいな…と思っている間にSNSに投稿された。 「え!投稿したんですか!?」 「おう!」 「~~~!」 嬉しくてつい!と無邪気に笑う彼に怒りたいのに嬉しくて、なんて言われたら強く言えない。 これが惚れた弱みか。 すぐに拡散されてもうトレンド入りしている。 SNSコワイ。 「よし!これであいつらを絞めれるな!」 「あいつら?」 「さっきの2人組。 絶対許さねぇ」 にこにこしながらも黒いオーラを放っている。 俺のユウリにベタベタ触りやがってと怒るキバナさんに、ほどほどに…と彼女になって最初のお願いは通じるのかはユウリ次第。 数年後、結婚して同じ家に住む部屋の一角に、マスターボールが飾られていた。

次の

【ウルトラサンムーン(USUM)】マスターボール入手方法まとめ! PGLキャンペーンとは?│ホロロ通信おすすめゲームと攻略裏技最新まとめ【ホロロ通信】

マスター ボール 使い道

・暖かい目で見てください ・キバナさんの片想い ・チャンピオンになって数年後 ・キバナ、ダンデ、ソニアはジムチャレンジャー時代同期設定 ・読んだ後の苦情は受け付けません [newpage] シャラーーーン!!! 「ロミ~~!!!下5ケタ すべてが おんなじロ! そんな マーベラスな 奇跡には 特賞の 商品 マスターボールを プレゼントだロ!!」 毎日の日課でポケセンのロトミに寄り、IDくじを引いていたらまさかの特賞を貰ってしまった。 いつもの2桁とかでポイントアップなのだが特賞のマスターボールなんて初めて当たった。 こんなことあるんだとびっくりする。 「わ、本当に貰っちゃった…」 以前マグノリア博士から貰ったのはザマゼンタに使っていたのでもう持つことはないと思っていたのに。 野生のポケモンを必ず捕まえられるボールだなんて出回っていないので嬉しい。 本当にいいの?とロトミに確認すると「おめでとロー!」と言われた。 大切にリュックにしまい、考える。 「何捕まえようかな」 語尾に音符でも付きそうなほどだった。 使うのは勿体ないと思いつつも、使わないのはもっと勿体ない。 気に入った子がいればボールなんて気にしないが、どうせだから中々捕まえれない子がいいのかも。 ポケモンの事に頭を使うのはとても楽しい。 しかも特別なボールを貰えたし。 わくわくしながらワイルドエリアに向かった。 キャンプを建てポケモンをボールから出し、テントを建てる。 結構奥まで自転車で走ったので周りを見てもトレーナーは誰もいない。 …と思ったが見覚えのある背格好が1人。 あれはキバナさんだ。 あちらも気付いたようで猛スピードでこちらにやって来る。 「ユウリー!!!好きだ!付き合ってくれ!」 「ありがとうございます、でもごめんなさい」 息も切らさずにこやかな問に対してこちらも笑顔で答える。 返事が不服だったようで、すぐに笑顔が崩れた。 「何でだ!運命だろ、こんな広いワイルドエリアで会ったんだから!」 「前にホップやビート君とも会いました」 「くっ、」 キバナさんは私が好きらしい。 それは別にこそこそと隠れて言うなんてものでもなくて、SNSでもTVでも誰といても気にせず言ってくる。 インタビューで関係の事を聞かれることも多く、しつこく困っていたらキバナさんが颯爽と現れて助けてくれることもある。 しかしそれはインタビュアーからしたら格好のネタにしかならないので更にヒートアップしてしまうのだが。 いい人だと思うしなんで私に好きだと言ってくれるのかわからないくらい格好いい。 彼は大人で、隣にいるのも綺麗な大人の人が似合う。 と思うのだが、キバナさんのファンは早く付き合いなよ、ユウリちゃんだったら許すなど、キバナさんを応援しているから不思議だ。 一緒にキャンプしようぜ、と返事を待たずに私のテントの横にテントを建て始める。 これはいつもの事で、キバナさんの手持ちのポケモンは私のポケモンとも仲良くて一緒になって遊んでいる。 ワイルドエリアだったらメディアはいないだろうし、まあいっか。 「今日はどっかのホテルに泊まるんだよな?」 「…」 「ダメだぞ!1人でキャンプの寝泊まりは危ないって言ってるだろ」 キバナさんが来なければ間違いなくテントで泊まっていたが、もう無理だろう。 でも今は1人じゃない。 「でも、キバナさんがいるなら安全ですよ」 「…あのなぁ、」 1人が危ないというのなら2人なら大丈夫。 キバナさんが帰らなきゃいけない用事があるのなら話は別だけど。 「俺はユウリが好きなんだぜ?そう言ってくれるのは嬉しいが、優しい兄貴じゃねぇんだ。 襲われても知らねぇよ?」 キバナさんはむすっとした顔をしてこちらを見る。 襲う?それって…。 ぼんっと赤くなる顔を見せないよう手で隠す。 そんな、はっきり言わなくても…! 今日はナックルシティのホテルに泊まろうな~と頭を撫でられる。 勝手に決められたが一番近いのがナックルシティなのでしょうがない。 諦めて今日はホテルに泊まろう。 2人でカレーの用意をした。 私は甘めが好きだが今日のように何度か一緒にキャンプをしているのでキバナさんは辛口が好きだと言うことは知っている。 甘めのカレーにしようと思っていたが、ピリ辛に変更しよう。 「ユウリ…!俺の好みに合わせてくれるのか!?」 クラボやマトマのみを入れる私に感動しているように見ている。 「はい!キバナさんがいるときくらいしか辛口作らないので、図鑑埋めです」 「き、厳しい…そこは嘘でもそうですって言ってくれ…」 少し落ち込んでいるキバナさんが面白く、くすくす笑っているとキバナさんも笑った。 ポケモンたちを呼び、皆でいただきますをしてカレーを食べ始める。 「旨い!これからも俺の為だけに作ってくれ!」 プロポーズに似た言葉を言われ、何と返事をしたらいいのかわからなくなる。 と言うかきっとプロポーズだろう。 「うーんキバナさんだけって言うのはちょっと…」 「他の男にも作るのか…?」 「言い方悪いですよ。 友だちにしか作りません」 「それ、俺の事も友だちって言ってるようなもんだぞ…」 浮き沈みが激しく、またしてもしなしなになっているキバナさんに前から思っていた疑問を訪ねた。 「…なんで私のこと好きって言ってくれるんですか?」 「好きだから」 キバナさんは少し目を伏せながら当たり前のように答える。 顔が赤くなっていく。 綺麗な横顔を見つつ、本当にこの人ははっきり言うな…と思う。 「言わずに後悔したくないんだ」 「後悔?」 「…ユウリがもうちょっと大人になってから好きって言おうと思ってたけど、その間に彼氏でも作られたらたまったもんじゃないからな」 本当は、待つのが大人なんだけど。 そう付け加えるとまたカレーを食べ始めた。 昔、何か後悔したことがあるんだろうか。 例えば、恋愛の事とか。 「私は…好きとかわからないです」 こうやって好きだと言い始めたのは確か私がチャンピオンになって少しした頃。 非公式でバトルをしたりポケモンについて話すことが増え、お兄ちゃんのように慕っていた時に告白された。 正直嬉しく思ったし好きだと思ったが、恋愛感情なのかわからなかった。 こんな曖昧な気持ちのまま返事する事は相手に失礼だと思い、何て言えばいいか迷っていると、キバナさんは待ってるからと言ってくれてたのでその言葉に今も甘えている。 「ゆっくり考えて、俺との未来を見てくれたらめっちゃくちゃ嬉しいけど、もしそうじゃなくても…諦めれるかわかんねぇけど」 カレーを食べ終えると一緒に片付けをして食後の運動という事でポケモンバトルをした。 私は結構押せ押せタイプだけど、キバナさんは天気を利用して戦うスタイルだから、戦っているだけで勉強になる。 終わった後の意見交換の時間はあっという間で、そろそろ帰ろうとホテルに向かう。 その間も色んな話をした。 ヌメルゴンに風呂上がり抱きつかれて2回シャワーを浴びたこと、好きなブランドが来月新作を発売するから楽しみだということ、私の好きそうなカフェが出来たから一緒に行こうとか。 私が飽きないようにいつも楽しい話を沢山してくれる。 この時間がもっと続けばいいのに、なんて思ってしまう。 ホテルに着くとキバナさんは名残惜しそうに私の頭を撫で、またな。 と言って別れた。 私がきちんとホテルに入るのを確認するまで見送ってくれる。 …本当、紳士だな。 部屋に入ってキバナさんにありがとうございましたとメッセージを送り、シャワーを浴びた。 ふかふかのベッドにダイブして今日の出来事を振り替える。 「あ…マスターボール使うの忘れてた」 その為にワイルドエリアに向かったのにすっかり忘れていた。 まあ急いで使うものでもないしいいか。 迫り来る睡魔に勝てず、心地よい疲れを落とすためそのまま眠りについた。 [newpage] 「ねぇ、チャンピオンじゃねえ?」 「え?まじ?」 「あ…こんにちは」 街を歩いていたら男性2人組に声をかけられた。 チャンピオンになって数年、そんな事は有り難いことに結構あって握手を求められたり応援してくれたりする。 自分のやる気にも繋がるのでとても嬉しい。 プライベートの時は写真はお断りしているが。 「こんな近くで初めて見た。 やっぱ可愛いね」 「俺らファンなんだよ」 「あ、ありがとうございます」 差し出された手に答えるように握手を交わす。 ここまではいつも通りだったが握手した手を離そうとしたが離れない。 「ねえ、今から飯行かない?」 「あ、いえ…すみません、そう言うのはちょっと…」 「いいじゃん!少しだけだし。 話聞かせてよ」 たまにこのようなナンパというか、誘われる事もあるが大抵は断れば残念~と言われることが多い。 多分キバナさんの影響だろう。 「あの、本当に…痛!」 彼らは嫌がる私を気にせず腕を引っ張って歩く。 振りほどこうにも振りほどけない。 大人の男の人を前に私はただただ無力だった。 「離してください!」 「まあまあ」 ご飯の誘いの割には人通りが少ない所を歩いている気がする。 どうしよう、このままでは本当にご飯だけじゃすまない気がする。 強い口調で言っても、振りほどこうと暴れるもびくともしない。 誰か助けて… キバナさん… 気付くとキバナさんを思い浮かべ涙が出てきた。 この人たちは人の話を聞かないし、腕が痛い。 歩くペースが速いから足がもた付く。 キバナさんはこんなことなかったのに。 いつも気にかけてくれて話を楽しそうに聞いてくれるし、私を楽しませてくれる。 歩幅も違うのに私のペースに合わせて隣を歩いてくれていた。 どこに連れてかれるんだろう。 もう怖いよ。 キバナさん… 「てめぇら、ユウリをどこ連れてくんだよ」 急に後ろから声がした。 はっとして振り向けば見たことないような怖い顔をしたキバナさん。 …嘘、本当に来てくれた。 「あ?…ってキバナ…」 「ちょ、やべぇって」 「何した」 「いや、別に、ご飯でもどうかなーって…」 「そ、そうそう!俺たちチャンピオンのファンでさ!」 ぱっと手を放され何もしてませんアピールをしている。 痛む手を抑えるとキバナさんはずんずんとこちらに歩いてきて私を引き寄せた。 「顔覚えたからな。 二度と近寄んじゃねぇ」 はい!すみませんでした!と走り去って行く2人。 手を出した訳でもないのに、凄い。 そしてキバナさんのこんな怖い声はじめて聞いた。 「遅くなってごめんな、腕痛いだろ。 ジムで冷やそう」 そう言うと私はお姫様抱っこをされた。 「え!あ、歩けます!」 「無理すんな。 膝震えてるぞ」 言われるまで気付かなかったが、確かに震えてる。 だからといってお姫様抱っこは恥ずかしい。 「でも、重いのに…」 「はあ?軽い軽い!もっと食えよ」 安心させるためか、いつの間にかいつものキバナさんに戻っていた。 もう素直に甘えてしまおう。 「やっぱりロトムブザー入れといて正解だったな」 「あ、それで…。 全然気付かなかった」 チャンピオンになってすぐ、未成年の私にいつ何が起こるかわからない、という理由でスマホロトムにブザーアプリを入れられた。 私の危険を察知しロトムの意志で今いるところから一番近いジムリーダーやダンデさんにメッセージが届くようになっている。 ロトムに感謝の気持ちを込めてポケットを撫でると、小さく震えた。 流石にこのまま人通りが多い所に出ると目立ってしまうので裏道をすいすい抜けてジムに入る。 ベンチに下ろされ、リョウタさんから保冷剤と濡れタオルを貰い腕を冷やした。 跡は残らなそうだ。 「跡は消えそうだな」 「はい」 「はぁーーー!よかった…」 今度はキバナさんが脱力して目の前でしゃがみこんでいる。 「ユウリに何かあったらと思うとめちゃくちゃ怖かった」 「キバナさん…」 「無事で…本当に…」 連絡を受けたとき慌ててきてくれたんだろう。 そう思うと何だか凄く嬉しくなった。 「助けてくれてありがとうございました」 「私、助けて欲しいって時に真っ先にキバナさんの顔が浮かんだんです」 「…え?」 「…だから、すごく嬉しかったです」 顔を上げたキバナさんがみるみる赤くなっていく。 キバナさんが目線の下にいるって珍しい事だ。 しかも顔が赤い。 いつもは心地いい筈の沈黙も、今日はなんだか耐えられない。 「…あ!何かお礼を!」 「いらねぇよ。 無事だったならそれでいい」 どこまでも優しい。 でも何かないかな、と考える。 そういえば良いのがあった。 「私、IDくじでマスターボール当てたんです」 「まじか!そりゃすげぇな」 「それで、これお礼にあげます!」 「…いやいや、ダメだろ」 「お礼なので受け取ってください!それに、私が持っていても宝の持ち腐れというか…」 ずいっと差し出したマスターボール。 こうなったら引かないことはよく知っているだろう。 貰った後改めて考えてみたが、私よりキバナさんに使ってほしい。 観念したようにキバナさんはゆっくりそれを受け取って、じっとそれを見つめている。 少しするとキバナさんが口を開けた。 「…俺が欲しいのはさ」 「?」 「…ユウリなんだけど?」 こつん、とおでこにマスターボールを当てられる。 なんだか変だ。 プロポーズ的な事を言われるのはいつもの事なのに心臓がばくばく音を鳴らし、顔が赤くなるのがわかる。 この人とずっと一緒にいたい、そばにいたい。 そう言えば前にワイルドエリアで会ったのもナックルシティに近かったし、今回もナックルシティだった。 無意識の内にキバナさんを探していたのかもしれない。 もしかして、私、 「好きになっちゃいました…」 「…え?」 「キバナさんの事…わ!」 抱き上げられたのは初めてで、急に目線が上がり驚く。 キバナさんの鍛えられた腕に抱かれ、体温を感じるとさらに心臓が早く動くのを感じた。 「お、下ろしてください!」 「無理だ!」 即答で答えられ抱き上げられたままくるくると回りだすので目が回ってしまい、思わず抱きついてしまった。 それに気を良くしたのか回るのをやめ更に強く抱きしめられた。 「夢じゃ、ねぇよな?」 「…夢じゃないです。 …言っときますけど、私はポケモンじゃないですからね」 「当たり前だろ?俺の嫁さんなんだから」 「嫁!?き、気が早いです!」 付き合ったばかりなのに嫁って!いくらなんでも早すぎる。 だからはっきり言い過ぎ…! そこでふと、思い出した。 そう言えば、後悔しない為に思ったことは言うことにしてるって言ってたな。 あの時は恋愛の事かも、なんて思っても気にならなかったが今はちょっと、いや、かなり気になる。 「そう言えば、言わずに後悔したくないって言ってましたよね?…あれ前に何かあったんですか?…もしかして恋愛関係とか…」 「ん?」 きょとんとした顔でこちらを見る。 何故いきなり?と顔に書いてあるので以前話したことを伝えた。 「あー!あれな、」 「言いづらかったら別に…」 「ユウリがヤキモチやいてる…!」 「ニヤニヤしないでください!」 「お前の心配するようなことは一切ねぇよ」 ぽんぽん、と頭を撫でられキバナさんは話し始めた。 「ジムチャレンジャー時代にダンデとバトルしたんだけどよ、バトル終わりにジュース買ってくるって言ったきり帰ってこなかったんだよ」 「はい」 「んで、場所はっきり言っときゃよかったなって」 「…ん?それだけ?」 「いや、めちゃくちゃ大変だったんだぞ!探すのに時間くったし、ジムチャレンジ遅れそうになるし!」 なんとかソニアが見つけたけどさ、と答えるキバナさんに嘘は見られない。 え、本当にそれだけ?安心したような、なんと言うか…。 キバナさんはヤキモチを焼いたのが嬉しかったようでまだニヤニヤしている。 もう!と怒るとごめんごめん、と言われ顔が近づく。 「改めて、好きです。 付き合ってください」 「…私も好きです。 よろしくお願いします」 同じ高さで見つめ合い照れてしまう。 顔も真っ赤だろう。 するとキバナさんのスマホロトムがポケットから出て来て、撮るロトよ~とカメラを向ける。 いきなりでこんな顔見せられないと思い反らそうとするもキバナさんに顔を押さえられカメラを向いてしまう。 パシャっとシャッターを切られた。 …絶対変な顔してる。 「け、消してください!」 「だーめ、可愛いから大丈夫」 写真を見ると顔を真っ赤にして慌てた顔の私と、満面の笑みを浮かべるキバナさん。 格好いいな…と思っている間にSNSに投稿された。 「え!投稿したんですか!?」 「おう!」 「~~~!」 嬉しくてつい!と無邪気に笑う彼に怒りたいのに嬉しくて、なんて言われたら強く言えない。 これが惚れた弱みか。 すぐに拡散されてもうトレンド入りしている。 SNSコワイ。 「よし!これであいつらを絞めれるな!」 「あいつら?」 「さっきの2人組。 絶対許さねぇ」 にこにこしながらも黒いオーラを放っている。 俺のユウリにベタベタ触りやがってと怒るキバナさんに、ほどほどに…と彼女になって最初のお願いは通じるのかはユウリ次第。 数年後、結婚して同じ家に住む部屋の一角に、マスターボールが飾られていた。 ・暖かい目で見てください ・キバナさんの片想い ・チャンピオンになって数年後 ・キバナ、ダンデ、ソニアはジムチャレンジャー時代同期設定 ・読んだ後の苦情は受け付けません [newpage] シャラーーーン!!! 「ロミ~~!!!下5ケタ すべてが おんなじロ! そんな マーベラスな 奇跡には 特賞の 商品 マスターボールを プレゼントだロ!!」 毎日の日課でポケセンのロトミに寄り、IDくじを引いていたらまさかの特賞を貰ってしまった。 いつもの2桁とかでポイントアップなのだが特賞のマスターボールなんて初めて当たった。 こんなことあるんだとびっくりする。 「わ、本当に貰っちゃった…」 以前マグノリア博士から貰ったのはザマゼンタに使っていたのでもう持つことはないと思っていたのに。 野生のポケモンを必ず捕まえられるボールだなんて出回っていないので嬉しい。 本当にいいの?とロトミに確認すると「おめでとロー!」と言われた。 大切にリュックにしまい、考える。 「何捕まえようかな」 語尾に音符でも付きそうなほどだった。 使うのは勿体ないと思いつつも、使わないのはもっと勿体ない。 気に入った子がいればボールなんて気にしないが、どうせだから中々捕まえれない子がいいのかも。 ポケモンの事に頭を使うのはとても楽しい。 しかも特別なボールを貰えたし。 わくわくしながらワイルドエリアに向かった。 キャンプを建てポケモンをボールから出し、テントを建てる。 結構奥まで自転車で走ったので周りを見てもトレーナーは誰もいない。 …と思ったが見覚えのある背格好が1人。 あれはキバナさんだ。 あちらも気付いたようで猛スピードでこちらにやって来る。 「ユウリー!!!好きだ!付き合ってくれ!」 「ありがとうございます、でもごめんなさい」 息も切らさずにこやかな問に対してこちらも笑顔で答える。 返事が不服だったようで、すぐに笑顔が崩れた。 「何でだ!運命だろ、こんな広いワイルドエリアで会ったんだから!」 「前にホップやビート君とも会いました」 「くっ、」 キバナさんは私が好きらしい。 それは別にこそこそと隠れて言うなんてものでもなくて、SNSでもTVでも誰といても気にせず言ってくる。 インタビューで関係の事を聞かれることも多く、しつこく困っていたらキバナさんが颯爽と現れて助けてくれることもある。 しかしそれはインタビュアーからしたら格好のネタにしかならないので更にヒートアップしてしまうのだが。 いい人だと思うしなんで私に好きだと言ってくれるのかわからないくらい格好いい。 彼は大人で、隣にいるのも綺麗な大人の人が似合う。 と思うのだが、キバナさんのファンは早く付き合いなよ、ユウリちゃんだったら許すなど、キバナさんを応援しているから不思議だ。 一緒にキャンプしようぜ、と返事を待たずに私のテントの横にテントを建て始める。 これはいつもの事で、キバナさんの手持ちのポケモンは私のポケモンとも仲良くて一緒になって遊んでいる。 ワイルドエリアだったらメディアはいないだろうし、まあいっか。 「今日はどっかのホテルに泊まるんだよな?」 「…」 「ダメだぞ!1人でキャンプの寝泊まりは危ないって言ってるだろ」 キバナさんが来なければ間違いなくテントで泊まっていたが、もう無理だろう。 でも今は1人じゃない。 「でも、キバナさんがいるなら安全ですよ」 「…あのなぁ、」 1人が危ないというのなら2人なら大丈夫。 キバナさんが帰らなきゃいけない用事があるのなら話は別だけど。 「俺はユウリが好きなんだぜ?そう言ってくれるのは嬉しいが、優しい兄貴じゃねぇんだ。 襲われても知らねぇよ?」 キバナさんはむすっとした顔をしてこちらを見る。 襲う?それって…。 ぼんっと赤くなる顔を見せないよう手で隠す。 そんな、はっきり言わなくても…! 今日はナックルシティのホテルに泊まろうな~と頭を撫でられる。 勝手に決められたが一番近いのがナックルシティなのでしょうがない。 諦めて今日はホテルに泊まろう。 2人でカレーの用意をした。 私は甘めが好きだが今日のように何度か一緒にキャンプをしているのでキバナさんは辛口が好きだと言うことは知っている。 甘めのカレーにしようと思っていたが、ピリ辛に変更しよう。 「ユウリ…!俺の好みに合わせてくれるのか!?」 クラボやマトマのみを入れる私に感動しているように見ている。 「はい!キバナさんがいるときくらいしか辛口作らないので、図鑑埋めです」 「き、厳しい…そこは嘘でもそうですって言ってくれ…」 少し落ち込んでいるキバナさんが面白く、くすくす笑っているとキバナさんも笑った。 ポケモンたちを呼び、皆でいただきますをしてカレーを食べ始める。 「旨い!これからも俺の為だけに作ってくれ!」 プロポーズに似た言葉を言われ、何と返事をしたらいいのかわからなくなる。 と言うかきっとプロポーズだろう。 「うーんキバナさんだけって言うのはちょっと…」 「他の男にも作るのか…?」 「言い方悪いですよ。 友だちにしか作りません」 「それ、俺の事も友だちって言ってるようなもんだぞ…」 浮き沈みが激しく、またしてもしなしなになっているキバナさんに前から思っていた疑問を訪ねた。 「…なんで私のこと好きって言ってくれるんですか?」 「好きだから」 キバナさんは少し目を伏せながら当たり前のように答える。 顔が赤くなっていく。 綺麗な横顔を見つつ、本当にこの人ははっきり言うな…と思う。 「言わずに後悔したくないんだ」 「後悔?」 「…ユウリがもうちょっと大人になってから好きって言おうと思ってたけど、その間に彼氏でも作られたらたまったもんじゃないからな」 本当は、待つのが大人なんだけど。 そう付け加えるとまたカレーを食べ始めた。 昔、何か後悔したことがあるんだろうか。 例えば、恋愛の事とか。 「私は…好きとかわからないです」 こうやって好きだと言い始めたのは確か私がチャンピオンになって少しした頃。 非公式でバトルをしたりポケモンについて話すことが増え、お兄ちゃんのように慕っていた時に告白された。 正直嬉しく思ったし好きだと思ったが、恋愛感情なのかわからなかった。 こんな曖昧な気持ちのまま返事する事は相手に失礼だと思い、何て言えばいいか迷っていると、キバナさんは待ってるからと言ってくれてたのでその言葉に今も甘えている。 「ゆっくり考えて、俺との未来を見てくれたらめっちゃくちゃ嬉しいけど、もしそうじゃなくても…諦めれるかわかんねぇけど」 カレーを食べ終えると一緒に片付けをして食後の運動という事でポケモンバトルをした。 私は結構押せ押せタイプだけど、キバナさんは天気を利用して戦うスタイルだから、戦っているだけで勉強になる。 終わった後の意見交換の時間はあっという間で、そろそろ帰ろうとホテルに向かう。 その間も色んな話をした。 ヌメルゴンに風呂上がり抱きつかれて2回シャワーを浴びたこと、好きなブランドが来月新作を発売するから楽しみだということ、私の好きそうなカフェが出来たから一緒に行こうとか。 私が飽きないようにいつも楽しい話を沢山してくれる。 この時間がもっと続けばいいのに、なんて思ってしまう。 ホテルに着くとキバナさんは名残惜しそうに私の頭を撫で、またな。 と言って別れた。 私がきちんとホテルに入るのを確認するまで見送ってくれる。 …本当、紳士だな。 部屋に入ってキバナさんにありがとうございましたとメッセージを送り、シャワーを浴びた。 ふかふかのベッドにダイブして今日の出来事を振り替える。 「あ…マスターボール使うの忘れてた」 その為にワイルドエリアに向かったのにすっかり忘れていた。 まあ急いで使うものでもないしいいか。 迫り来る睡魔に勝てず、心地よい疲れを落とすためそのまま眠りについた。 [newpage] 「ねぇ、チャンピオンじゃねえ?」 「え?まじ?」 「あ…こんにちは」 街を歩いていたら男性2人組に声をかけられた。 チャンピオンになって数年、そんな事は有り難いことに結構あって握手を求められたり応援してくれたりする。 自分のやる気にも繋がるのでとても嬉しい。 プライベートの時は写真はお断りしているが。 「こんな近くで初めて見た。 やっぱ可愛いね」 「俺らファンなんだよ」 「あ、ありがとうございます」 差し出された手に答えるように握手を交わす。 ここまではいつも通りだったが握手した手を離そうとしたが離れない。 「ねえ、今から飯行かない?」 「あ、いえ…すみません、そう言うのはちょっと…」 「いいじゃん!少しだけだし。 話聞かせてよ」 たまにこのようなナンパというか、誘われる事もあるが大抵は断れば残念~と言われることが多い。 多分キバナさんの影響だろう。 「あの、本当に…痛!」 彼らは嫌がる私を気にせず腕を引っ張って歩く。 振りほどこうにも振りほどけない。 大人の男の人を前に私はただただ無力だった。 「離してください!」 「まあまあ」 ご飯の誘いの割には人通りが少ない所を歩いている気がする。 どうしよう、このままでは本当にご飯だけじゃすまない気がする。 強い口調で言っても、振りほどこうと暴れるもびくともしない。 誰か助けて… キバナさん… 気付くとキバナさんを思い浮かべ涙が出てきた。 この人たちは人の話を聞かないし、腕が痛い。 歩くペースが速いから足がもた付く。 キバナさんはこんなことなかったのに。 いつも気にかけてくれて話を楽しそうに聞いてくれるし、私を楽しませてくれる。 歩幅も違うのに私のペースに合わせて隣を歩いてくれていた。 どこに連れてかれるんだろう。 もう怖いよ。 キバナさん… 「てめぇら、ユウリをどこ連れてくんだよ」 急に後ろから声がした。 はっとして振り向けば見たことないような怖い顔をしたキバナさん。 …嘘、本当に来てくれた。 「あ?…ってキバナ…」 「ちょ、やべぇって」 「何した」 「いや、別に、ご飯でもどうかなーって…」 「そ、そうそう!俺たちチャンピオンのファンでさ!」 ぱっと手を放され何もしてませんアピールをしている。 痛む手を抑えるとキバナさんはずんずんとこちらに歩いてきて私を引き寄せた。 「顔覚えたからな。 二度と近寄んじゃねぇ」 はい!すみませんでした!と走り去って行く2人。 手を出した訳でもないのに、凄い。 そしてキバナさんのこんな怖い声はじめて聞いた。 「遅くなってごめんな、腕痛いだろ。 ジムで冷やそう」 そう言うと私はお姫様抱っこをされた。 「え!あ、歩けます!」 「無理すんな。 膝震えてるぞ」 言われるまで気付かなかったが、確かに震えてる。 だからといってお姫様抱っこは恥ずかしい。 「でも、重いのに…」 「はあ?軽い軽い!もっと食えよ」 安心させるためか、いつの間にかいつものキバナさんに戻っていた。 もう素直に甘えてしまおう。 「やっぱりロトムブザー入れといて正解だったな」 「あ、それで…。 全然気付かなかった」 チャンピオンになってすぐ、未成年の私にいつ何が起こるかわからない、という理由でスマホロトムにブザーアプリを入れられた。 私の危険を察知しロトムの意志で今いるところから一番近いジムリーダーやダンデさんにメッセージが届くようになっている。 ロトムに感謝の気持ちを込めてポケットを撫でると、小さく震えた。 流石にこのまま人通りが多い所に出ると目立ってしまうので裏道をすいすい抜けてジムに入る。 ベンチに下ろされ、リョウタさんから保冷剤と濡れタオルを貰い腕を冷やした。 跡は残らなそうだ。 「跡は消えそうだな」 「はい」 「はぁーーー!よかった…」 今度はキバナさんが脱力して目の前でしゃがみこんでいる。 「ユウリに何かあったらと思うとめちゃくちゃ怖かった」 「キバナさん…」 「無事で…本当に…」 連絡を受けたとき慌ててきてくれたんだろう。 そう思うと何だか凄く嬉しくなった。 「助けてくれてありがとうございました」 「私、助けて欲しいって時に真っ先にキバナさんの顔が浮かんだんです」 「…え?」 「…だから、すごく嬉しかったです」 顔を上げたキバナさんがみるみる赤くなっていく。 キバナさんが目線の下にいるって珍しい事だ。 しかも顔が赤い。 いつもは心地いい筈の沈黙も、今日はなんだか耐えられない。 「…あ!何かお礼を!」 「いらねぇよ。 無事だったならそれでいい」 どこまでも優しい。 でも何かないかな、と考える。 そういえば良いのがあった。 「私、IDくじでマスターボール当てたんです」 「まじか!そりゃすげぇな」 「それで、これお礼にあげます!」 「…いやいや、ダメだろ」 「お礼なので受け取ってください!それに、私が持っていても宝の持ち腐れというか…」 ずいっと差し出したマスターボール。 こうなったら引かないことはよく知っているだろう。 貰った後改めて考えてみたが、私よりキバナさんに使ってほしい。 観念したようにキバナさんはゆっくりそれを受け取って、じっとそれを見つめている。 少しするとキバナさんが口を開けた。 「…俺が欲しいのはさ」 「?」 「…ユウリなんだけど?」 こつん、とおでこにマスターボールを当てられる。 なんだか変だ。 プロポーズ的な事を言われるのはいつもの事なのに心臓がばくばく音を鳴らし、顔が赤くなるのがわかる。 この人とずっと一緒にいたい、そばにいたい。 そう言えば前にワイルドエリアで会ったのもナックルシティに近かったし、今回もナックルシティだった。 無意識の内にキバナさんを探していたのかもしれない。 もしかして、私、 「好きになっちゃいました…」 「…え?」 「キバナさんの事…わ!」 抱き上げられたのは初めてで、急に目線が上がり驚く。 キバナさんの鍛えられた腕に抱かれ、体温を感じるとさらに心臓が早く動くのを感じた。 「お、下ろしてください!」 「無理だ!」 即答で答えられ抱き上げられたままくるくると回りだすので目が回ってしまい、思わず抱きついてしまった。 それに気を良くしたのか回るのをやめ更に強く抱きしめられた。 「夢じゃ、ねぇよな?」 「…夢じゃないです。 …言っときますけど、私はポケモンじゃないですからね」 「当たり前だろ?俺の嫁さんなんだから」 「嫁!?き、気が早いです!」 付き合ったばかりなのに嫁って!いくらなんでも早すぎる。 だからはっきり言い過ぎ…! そこでふと、思い出した。 そう言えば、後悔しない為に思ったことは言うことにしてるって言ってたな。 あの時は恋愛の事かも、なんて思っても気にならなかったが今はちょっと、いや、かなり気になる。 「そう言えば、言わずに後悔したくないって言ってましたよね?…あれ前に何かあったんですか?…もしかして恋愛関係とか…」 「ん?」 きょとんとした顔でこちらを見る。 何故いきなり?と顔に書いてあるので以前話したことを伝えた。 「あー!あれな、」 「言いづらかったら別に…」 「ユウリがヤキモチやいてる…!」 「ニヤニヤしないでください!」 「お前の心配するようなことは一切ねぇよ」 ぽんぽん、と頭を撫でられキバナさんは話し始めた。 「ジムチャレンジャー時代にダンデとバトルしたんだけどよ、バトル終わりにジュース買ってくるって言ったきり帰ってこなかったんだよ」 「はい」 「んで、場所はっきり言っときゃよかったなって」 「…ん?それだけ?」 「いや、めちゃくちゃ大変だったんだぞ!探すのに時間くったし、ジムチャレンジ遅れそうになるし!」 なんとかソニアが見つけたけどさ、と答えるキバナさんに嘘は見られない。 え、本当にそれだけ?安心したような、なんと言うか…。 キバナさんはヤキモチを焼いたのが嬉しかったようでまだニヤニヤしている。 もう!と怒るとごめんごめん、と言われ顔が近づく。 「改めて、好きです。 付き合ってください」 「…私も好きです。 よろしくお願いします」 同じ高さで見つめ合い照れてしまう。 顔も真っ赤だろう。 するとキバナさんのスマホロトムがポケットから出て来て、撮るロトよ~とカメラを向ける。 いきなりでこんな顔見せられないと思い反らそうとするもキバナさんに顔を押さえられカメラを向いてしまう。 パシャっとシャッターを切られた。 …絶対変な顔してる。 「け、消してください!」 「だーめ、可愛いから大丈夫」 写真を見ると顔を真っ赤にして慌てた顔の私と、満面の笑みを浮かべるキバナさん。 格好いいな…と思っている間にSNSに投稿された。 「え!投稿したんですか!?」 「おう!」 「~~~!」 嬉しくてつい!と無邪気に笑う彼に怒りたいのに嬉しくて、なんて言われたら強く言えない。 これが惚れた弱みか。 すぐに拡散されてもうトレンド入りしている。 SNSコワイ。 「よし!これであいつらを絞めれるな!」 「あいつら?」 「さっきの2人組。 絶対許さねぇ」 にこにこしながらも黒いオーラを放っている。 俺のユウリにベタベタ触りやがってと怒るキバナさんに、ほどほどに…と彼女になって最初のお願いは通じるのかはユウリ次第。 数年後、結婚して同じ家に住む部屋の一角に、マスターボールが飾られていた。

次の

【ポケモン剣盾】マスターボールの入手方法と効果【ソードシールド】|ゲームエイト

マスター ボール 使い道

一押しの情報• ストーリー攻略 攻略チャート• おすすめ記事• アイテム• 便利な人• お役立ち情報 ストーリー攻略系• 新要素• 前作との違い• システム関連• 掲示板• ポケモン図鑑• タイプ別ポケモン一覧•

次の