ワン チーム イラスト。 ラグビー日本代表に学ぶ「ONE TEAM」の作り方。チームで結果を出すには3つの工夫が必要だ

ワンチームの意味を説く トンプソン「意味ある言葉、改めて思う」|【西日本スポーツ】

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リーチマイケル。 ラグビー日本代表主将。 30歳。 ニュージーランド出身で、 国籍は日本。 父はスコットランド系ニュージーランド人 母はフィジー人。 ポジションはフォワード。 ナンバーエイト、フランカー。 身長189cm、体重105kg。 15歳で日本に留学生として来日。 札幌山の手高校入学、卒業。 東海大学体育学部へ進学。 東海大学体育会ラグビーフットボール部。 2011年に卒業後、 東芝ブレイブルーパスに加入。 同年開催のワールドカップ日本代表。 12年に東海大学同級生の知美さんと結婚。 13年に日本国籍を取得すると、 「Michael Reach」から、 「リーチ マイケル」に表記を変えた。 2014年4月、 エディー・ジョーンズヘッドコーチから、 日本代表キャプテンを指名される。 歴史的な勝利を収めて、 今日、記者会見で発言。 朝日新聞が報じた。 「ある競技から刺激を受けていた」 それはバレーボール。 同じ時期にワールドカップを日本開催中。 リーチは自身のアイルランド戦前夜に、 女子バレーボールの日本対セルビア戦を見ていた。 セルビアは世界ランキング1位。 日本は同6位。 女子日本代表のキャッチフレーズは、 「火の鳥NIPPON」 この試合に日本はフルセットの逆転勝ちをした。 リーチは「とても感動した」と語った。 日本代表の中田久美監督は、 このリーチの言葉を選手に伝えた。 アタッカーの鍋谷友理枝。 そういう気持ちで今日の試合に臨んだ。 強い思いが結果につながった」 16リオデジャネイロ五輪4強のオランダに、 セットカウント3対1で快勝。 中田久美監督はリーチの言葉に返礼した。 「光栄に思う。 選手の力になった」 〈1998中田久美写真集より 「競技、種目を越え、 スポーツ界がどんどん変わっていけばいい」 バレーボール女子は、 このワールドカップで6勝5敗の5位。 世界ランキング6位からは、 一つ上の成果だった。 まあまあの成績だが、 セルビア戦、オランダ戦では、 金星を挙げた。 私が中学・高校のころのバレーボールは、 9人制だった。 もちろんオリンピックでは、 1964年の東京の「東洋の魔女」のころから、 もう6人制となっている。 9人制は前衛・中衛・後衛。 役割やポジショニングが決まっていて、 ローテーションがない。 6人制はバレーボールを、 革命的に変えた。 6人がローテーションで、 ぐるぐる回る。 バックアタックなど、 後衛の選手がアタックする。 これらの新戦術はほとんど、 日本が考案したものだ。 ただし、このローテーションの反動か、 1998年から「リベロ」という、 守備専門のポジショニングが生まれた。 おもしろい組織変更だ。 自由なローテーションが主流となったら、 「リベロ」 自由人 という専門職が登場した。 一方のラグビーは、 15人のポジショニングが、 ほぼ決まっていて、 専門化されている。 リベロもいない。 フォワードは8人で、 その第1列は、 両サイドのプロップ2人と中央のフッカー。 2列目はロック2人。 3列目は両サイドのフランカー2人と、 ナンバーエイト。 リーチマイケルはこの3列目の専門家。 ハーフは2人で、 スクラムハーフとスタンドオフ。 バックスは5人。 当たりに強いセンターが2人、 俊足のウィングが2人、 そして最後にフルバック。 そしてこの中から、 キッカーが1人選ばれる。 五郎丸歩はフルバックでキッカー。 現在の田村優はスタンドオフでキッカー。 ちなみに五郎丸は早稲田大学出身、 田村は明治大学出のラガー。 サッカーのポジションは、 やはりフォワード、 ミドルフィールダー、 ディフェンダー、 そしてゴールキーパーと決まっている。 しかしバレーボール6人制のように、 かなり流動的、臨機応変で、 ほとんど全員がシュートを放つ。 1970代までのサッカーは、 攻撃と守備が完全に分業制だった。 しかし西ドイツに、 フランツ・ベッケンバウアーが登場して、 それをひっくり返してしまった。 皇帝ベッケンバウアー。 ポジションはセンターバックだった。 ラグビーでいえばフルバックだ。 しかしベッケンバウアーは、 攻撃的センス抜群の選手で、 最後尾からパスを繋ぎ、攻撃に加わり、 シュートまで放つという、 画期的なポディションを確立させた。 ここから「リベロ」が誕生した。 現在はチーム戦略の進化によって、 リベロはすたれてしまったが、 それでも力量があれば、 その役割は消えることはない。 システムとして最も進化したのが、 バレーボールと言えるかもしれない。 世界が「スピード」を求めたからだ。 ラグビーにも「7人制」のセブンスがあって、 ワールドカップも開催されている。 しかしラグビーゲームの主流は、 15人制の専門職集団の激突だ。 そのスペシャルティこそが、 ラグビーの魅力なのだと思う。 難しそうだが、 知れば知るほど面白い。 それがラグビーだ。 サッカーは全員守備の全員攻撃。 バレーボールも全員守備の全員攻撃、 プラス「リベロ」。 ラグビーももちろん、 全員守備の全員攻撃が基本で、 タックルがそれを象徴するものだが、 一方で、専門性の高い技術と知見を求められる。 ベースボールも、 アメリカンフットボールも、 その意味では専門性が高い種目だ。 スペシャリストとオールラウンダー。 ビジネス実務では、 スペシャリストとゼネラリスト。 わが社はバレーボール派なのか、 ラグビー派なのか、 それを明確に戦略化する必要がある。 どちらが優れているとは言えない。 しかしリーチマイケルが、 中田久美らに感動し、 また中田久美らが、 リーチマイケルに元気づけられた。 ゼネラリストとスペシャリストが、 ワンチーム・ワンハートで仕事を進める。 それが戦略や種目を超えて、 何よりも大切なのだ。 〈結城義晴〉 コメントする メールアドレスが公開されることはありません。 (スパム対策)• 625• 409• 110• 624• 445• 994• 1021•

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【ラグビーコラム】「ONE TEAM」の定義とは

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【出演者】 三宅キャスター:三宅民夫キャスター 大越キャスター:大越健介キャスター 高嶋キャスター:高嶋未希キャスター 台風19号被災者へ寄せたラグビーの精神 三宅キャスター: 台風19号、広い範囲で大きな被害が出てしまいましたね……。 大越キャスター: そうですね。 まずは亡くなった方々に心からお悔やみを申し上げたいと思いますし、被災した方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 私の住まいがあるのは東京の八王子というところなんですが、ニュースでも度々登場しました。 大雨の被害が長く続いて、私の家自体は無事だったんですけれども、ずっと放送を見ながら、台風関連の進路であるとか雨雲の様子のデータとにらめっこしていました。 そして自分たちのこともさることながら、やっぱり被災が予想される地域に住んでいる知人、友人、親戚に連絡をとったり、あるいは逆に向こうから「安全か?」という連絡が来たり、被災そのものはしなかったけれども、「災害と向き合う」っていうことは翌日どっと疲れが出るっていうんでしょうか、本当にエネルギーを費やすことなんだなということを感じました。 ですからなおのこと、今回の災害で被害に遭った方々のことを思いますと、本当にみんなで心を寄せて自分たちのできる協力をしていきたいなと思いました。 三宅キャスター: 台風の被害におろおろする中、ラグビーワールドカップの明るいニュースでした。 きょうは「ワンチームの意味」ということで話をしてくださるんだそうですね。 大越キャスター: どこまでできるか分からないんですが、ご存じのとおり日曜日 10月13日 の試合、「日本 対 スコットランド」で日本が1次リーグ4連勝を飾りまして、史上初めて決勝トーナメントに駒を進めました。 その日、ちょっといい話が流れていましたよね。 「カナダ 対 ナミビア」という試合が岩手県釜石市の鵜住居復興 うのすまいふっこう スタジアムで予定されていたんですが、こちらも大雨・台風被害ということで中止になりました。 両チームとも決勝トーナメント進出の目というのはなかったんですけれども、やっぱり世界の舞台ですので、晴れ舞台で試合したかったのに残念だったと思うんですよね。 ただ、彼らはすぐに切り替えて、カナダの選手はボールをモップやシャベルに持ち替えて、釜石で被害に遭った人たちの土砂をかき出す作業なんかを一生懸命手伝っていましたし、ナミビアの選手も合宿地での交流会で笑顔を振りまいて、被害に遭った人たちを勇気づける。 そういった行動を取っていました。 それが非常に良いニュースとして、私はこのとき横浜の、「日本 対 スコットランド」の会場で早くに乗り込んで準備をしていたんですが、大会の組織委員会の人たちも彼らの行動を称賛していました。 日本の選手はそういう状況ですからね、燃えないはずがなかったわけですよね。 三宅キャスター: スコットランド戦は黙とうから始まりましたね。 大越キャスター: そうですね。 私はこの試合をスタンドから観戦していて、非常に贅沢ではあるんですけれども、その日の番組『サンデースポーツ2020』のゲストで出演を予定していた清宮克幸 きよみや かつゆき さん、日本ラグビー協会の副会長ですけれども、その清宮さんとともに見ることができたんです。 清宮さんは今まさに日本ラグビー界の要の人物の1人ですけれども、試合の冒頭、私が「この試合、ぜひ日本が勝って被害に遭った人たちの心に響くようなコメントをしてほしいですね」っていう話をしたら、清宮さんは、「当たり前じゃないですか」っていうような顔をして僕を見て、「選手の中でこの災害のことを考えていない人間なんて、誰もいないと思いますよ」というふうに話していました。 そして超満員で7万人近くが入ったスタンドなんですけれども、ところどころ青い空席があるんですよね、やっぱり。 清宮さんはその空席を見ながら、「ひょっとしたらあの空席は被害に遭った人たちであるとか、あるいは交通が遮断されてせっかく楽しみにしていながら来れなかった人たちもいるかもしれませんよ。 そういう人たちのことも考えて、選手はきっとプレイすると思います」と話していましたが、案の定、日本チームは勝って、今回の被災された方々に心を寄せるコメントが選手から多数寄せられました。 やっぱり日本がこういう大変なときだから、「ワンチーム」になって乗り越えていこうという精神をラグビー日本代表の選手たちが体現してくれたように私には思えます。 8年がかりで築き上げた強さは「奇跡じゃない」 三宅キャスター: ここからは、日本のラグビーの強さは本物なのか、これからの戦いを見通していこうと思います。 大越キャスター: 私、ラグビー素人なのでなかなか見通しはできないんですけれども、ただ、「強さは奇跡ではない」というのはどうも間違いないですよね。 NHKの実況で豊原謙二郎アナウンサーが、2戦目のアイルランドの試合に勝ったときに「もう奇跡とは言わせない」という名実況があってですね。 豊原アナウンサーはみずからがラグビー経験者でもあるので、早速そのことを察知したんだと私は思いますが、私自身もスコットランドまでの4連勝を見て、ようやく「やっぱりこれ、奇跡じゃないよね」っていうふうに実感しました。 三宅キャスター: これだけ続いて強豪を倒しているわけですからね。 本当に強いのかもと。 大越キャスター: ちょっと過去を振り返ってみたいんですけども、4年前の大会で世界的な強豪・南アフリカを破りましたが、それまではワールドカップの日本の勝利と言えば、1991年にさかのぼって、アフリカのジンバブエに勝った1度だけなんですよ。 三宅キャスター: ずいぶん前ですね。 大越キャスター: もともと日本でもラグビーは人気スポーツだったんですけれども、やっぱり世界の壁、世界のトップを行くチームとの違いを痛感せざるをえなかったんですけれども、それが4年前から潮目が変わったと。 これを今、私はスポーツのキャスターをしているので、いろんなラグビー関係者と話をする機会があるんですけれども、五郎丸歩 ごろうまる あゆむ さん、前回大会の中心選手で名キッカーとして活躍をしましたが、その五郎丸さんが、「今の日本代表は8年がかりで作ってきたチームですよね」って言うんです。 三宅キャスター: 「8年がかりで作ってきた」とはどういうことですか? 大越キャスター: 前半4年の集大成となったのは、4年前の南アフリカ戦の歴史的な勝利。 そのときチームを作り上げたのがエディー・ジョーンズさんっていうヘッドコーチでした。 五郎丸さんはその一員だったわけですけれども、この「エディー・ジャパン」の練習って、本当につらかったそうです。 そして、「基本・基礎・規律っていうものを徹底的にたたき込まれた4年間でした」と。 後半4年、つまり今回のワールドカップに至る南アフリカ戦以後の4年で指揮を執ったのが、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ。 ジェイミーさんのもとでは代表を離れた五郎丸さんが「もう絶対こんなところじゃ練習したくない」と思うほど、やっぱりきつい練習をしたと。 しかもたたき上げられた基礎の上に非常に高度な技術、例えば「オフロードパス」なんていうのは今回いろんな人が口にするようになりましたけども、ああいうトリッキーとも言えるような高度な技術をみずからの主体性のもとで積み上げてきた。 ですから「この8年というのは、本当に今の日本のラグビーを作り上げた8年だったんだ」というふうに話をしていました。 選手たちは「自分を信じているんだ」っていうことを言いますが、「3つの自信」があると思うんです。 1つは先ほど申し上げた「猛練習」。 もうやりきるまでやったと。 どこにも負けないという猛練習を積んだという自信が1つですよね。 もう1つは「冷静な自信」っていうんでしょうかね。 自分たちが厳しい練習をこなす中で身に付けてきたものは、「ティア1」と言われる最強豪のグループ、ニュージーランドとか南アフリカとかイングランドとかそういったチームですけれども、その「ティア1」に劣らないという自信があると。 それは客観的な自信で、いろんなテストマッチの実績や相手チームとの分析。 「自分たちがやってきたことは超強豪のチームに劣らない」という冷静な分析がある。 そういう「冷静な自信」ですよね。 もう1つあるとすると、そうしたことを「本番で出し切ることができるんだ」という自信だと思います。 この3つ目の自信には、彼らを後押しする日本中の応援の声が大きく貢献しているんだというふうに思います。 ですから彼らが積み上げた練習、そして技術、それを後押しする日本人の声。 これがやはり1つのチーム、「ワンチーム」になって、やっぱり今の躍進があるんだろうなというふうに感じています。 三宅キャスター: このあとは10月20日の準々決勝の相手が南アフリカ。 大越キャスター: そうですね。 「これまでの勝負が、偶然ではなくて必然である」というのは選手たちが十分に示してくれたと思います。 ですから世界最強豪の1つである南アフリカに勝利したとしても、これは必然だというふうに思います。 ただ前回大会でね、南アフリカは日本に敗れて世界中のニュースになっちゃったわけですから、これは負けられないですよね。 三宅キャスター: やっぱりそういう気持ちは強くなってくると。 大越キャスター: 意地と意地のぶつかり合いというのは本当に見ものだと思います。 ここまで来ると、われわれ外野が試合をどう占ってみてもしかたがない部分がありますけれども、これから試合までに選手たちが記者会見をしたりして、彼らの表情を見せてくれると思うんですよね。 そのときの表情、口ぶり。 そういったものから選手たちの心境を見てみたいというふうに思います。 例えばスコットランド戦の前には、リーチマイケル主将が記者会見でこんなふうに言ったんですね。 「スコットランドをボコります。 やっちゃいますよ」と。 紳士のリーチ選手の割にはなかなか今どきの若い言葉、結構荒っぽい言葉を使って意欲を語っていましたけれども、僕はそういう選手たちの表情であるとか、言葉の端々、その中から次の試合って占えるのではないかなというふうに思いますね。 大越キャスター: さすがにこれを聞いていた五郎丸さんが「いやぁ、これ笑っちゃいましたね。 すごいですね、リーチは」というふうに話していたぐらいですから 笑。 選手たちの冷静な意気込みがしっかりと次の試合も出せれば、決して偶然ではなく必然の結果として試合に勝つ可能性がありますよね。 三宅キャスター: 本当に楽しみですけども、このラグビー熱の盛り上がり、すごいですね。 大越キャスター: もともと日本でラグビーは人気のあるスポーツでしたよね。 清宮さんに聞くと、「ラグビーというのは日本人の気質に合っているんじゃないか」と。 規律であるとか相手をリスペクトする精神、そして同時に、組織が輝くのは個人の輝きなんだよということを体現してくれているのが今の日本ラグビーだと。 「にわかファン」も増えたかもしれませんけれども、その中からきっと本当のラグビーファンもたくさん出てくるのではないでしょうか。 三宅キャスター: みなさんから声が届いてます。 高嶋キャスター: <台風19号の尋常でない被害に心を痛めていた日曜日の、ラグビーの日本勝利。 感動し、涙しましたよね。 私も土曜日に避難し、わが家は雨漏りがあったくらいで済みましたが、神経が大変疲れました。 ラグビーを1人応援し、心に元気をもらいました> <何事も一朝一夕には完成しないということをしみじみ実感する、ラグビーワールドカップ> <大分市で行われる準々決勝に進出するウェールズ・フランス・イングランド・オーストラリアの国旗をアーケードの下に掲げています。 楽しみです> 三宅キャスター: いろんな人の励みになっている感じがありますね。 大越キャスター: そうですよね。 開催地では試合するチームの国歌などを覚えて一生懸命歌う人がいたり、選手の側もうれしいと思いますよね。 ある意味それが本当の「おもてなし」なのかなと思いますよね。 三宅キャスター: 結構日本人はもともとラグビー好きで、サッカーがブームになる前はみんな「ラグビー、ラグビー」って。 大越キャスター: そうですよね。 私も高校生とかのころはお正月になるとテレビで日本選手権を見て、「新日鉄釜石」なんかは全盛でしたからね。 国立競技場が満員になって。 大学生になってからも大学ラグビーの早慶戦 早稲田大学 対 慶応大学 、早明戦 早稲田大学 対 明治大学 を国立競技場で列を作って見た覚えがありますし、だから今、盛り上がるのも、もともとそういった基礎があっての必然なのかもしれないですよね。 三宅キャスター: ありがとうございました。

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「ONE TEAM」(ワンチーム)とは?!意味を解説

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しかし、人間の性格や考え方は、各々でまったく異なるもの。 いろいろな人が集まった結果、意見や主張が食い違ってチームが機能しないということも珍しくありません。 あるいは、 メンバーそれぞれの役割分担が不明確なため、お互いに遠慮し合って個々人の能力が充分に発揮されないなんてことも……。 そう、 ラグビー日本代表が掲げていた「 ONE TEAM」です。 「ONE TEAM」の名のもとにひとつになったラグビー日本代表 2019年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にも選ばれた「ONE TEAM」。 これは、秋に日本で開催されたラグビーW杯で、日本代表を指揮したジェイミー・ジョセフ氏が考えたスローガンです。 2019年ラグビーW杯時の日本代表は、総数31人のうちのおよそ半数を占める15人が外国人という多国籍チーム。 生まれた国も育った文化も異なるさまざまな選手たちをひとつにまとめ上げるために、ジョセフ氏はこのスローガンを掲げました。 「ONE TEAM」のもとに一致団結した選手たちは、次々と勝利を重ね、日本史上初の予選グループ突破に成功。 日本代表の活躍が、多くの人に勇気や希望を与えてくれたことは、記憶にも新しいですよね。 そして、私たちが仕事でチームを作り上げていくうえでも、この「ONE TEAM」というスローガンは大いに参考になるのです。 なぜならば、ラグビーはチーム全員が活躍しなければ勝てないスポーツだから。 事実、 ジョセフ氏は、チームのリーダー役に10人を指名し、ひとりのリーダーに頼らないチーム作りを心がけていたのだそうです。 これと似た組織運営をしているのが、世界的コンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニー。 かつてマッキンゼー日本支社で採用マネージャーを務め、『生産性』などの著書でも知られる伊賀泰代氏によれば、 マッキンゼーでは社員全員がリーダーシップを発揮することが求められていたのだそう。 象徴的なのは、伊賀氏が多数決を提案した際に激怒されたというエピソードで、常に自分なりの意見や考えを見せる必要があったとのこと。 「ほかのメンバーに任せておけばいいや」「リーダーに頼っていればいいや」というマインドでは、チームパフォーマンスが上がっていかないのも当然。 したがってチームリーダーは、各メンバーがリーダーシップを発揮できるような土壌を作り上げなければならないのです。 たとえば、イベントを企画実施するチームの場合。 渉外が得意なメンバーには広報を任せる、PCスキルが秀でたメンバーにはフライヤー作成を任せるなど、それぞれの個性や得意分野を見極めたうえで役割分担し、権限や責任を委譲するのはいかがでしょうか。 そうすれば、各メンバーには、自分の仕事に責任を持って取り組む意識や「自分はいま、このチームの中でこのチームのために動いているんだ」という感覚が生まれます。 これがチームの一体感醸成につながっていくのです。 「サーバントリーダーシップ」でメンバーの積極性が高まる ジョセフ氏の前にラグビー日本代表のヘッドコーチを務めていたエディー・ジョーンズ氏は、選手のプライベートにまで口を出すなど、徹底した管理主義による指導を行なっていました。 それに対し、ジョセフ氏は選手の主体性を重んじる指導をモットーにしていたのだそう。 「ヘッドコーチの重要な仕事とは、選手が信じることのできる環境を創造することです。 選手に自信を与えなくてはならない。 それが私の務めです」 (引用元:Number Web|) このような指導スタイルは「サーバントリーダーシップ」と呼ばれます。 「日本サーバント・リーダーシップ協会」によれば、 サーバントリーダーシップを発揮するリーダーのもとでは、メンバーは「やりたい気持ちで行動する」「言われる前に行動する」「工夫できるところは工夫しようとする」「周囲に役立とうとする姿勢を身につけやすい」とのこと。 そして、サーバントリーダーになるためには「傾聴」の気持ちを持つことが最も重要になるのだそう。 『気配りの正解』等の著書がある後田良輔氏の言を参考に、傾聴力をアップさせる方法をいくつかご紹介しましょう。 【相手に対して自分から話題を振る】 相手に積極的に話してもらうには、やはり自分から話しかける必要があります。 リーダーだからといって高圧的に構えるのではなく、こちらから歩み寄るのが肝心です。 会話が弾んできたら、仕事でどんなことを考えているかなどをうまく引き出せるようになるでしょう。 自分の話を聞いてくれているんだという印象を相手は持ちますから、さらにいろいろなことを話してくれるでしょう。 サーバントリーダーシップを発揮することで、メンバーたちには、仕事を「やらされている」という感覚ではなく「自分が担当している」という感覚が芽生えます。 そうすれば、チーム全体が積極的に動くようになるでしょう。 メンバーのモチベーションは「言葉」で高まる ジョセフ氏は、強豪アイルランド代表戦を控えた日本代表の選手たちの前で、「(自分たちが)どれだけ努力してきたか誰も知らない」「どれだけのことを犠牲にしてきたかも知らない」「やるべきことはわかっている」「お互いを信頼して、みんなを信じて」などと、選手たちのこれまでの努力を評価し鼓舞する言葉を投げかけました。 その言葉を聞いた日本代表の選手たちが、アイルランド代表と互角に渡り合い、見事勝利をつかんだことは言うまでもありません。 何度もピンチを迎えたにもかかわらず、日本代表の選手たちの心が折れなかったのは、ジョセフ氏の言葉が支えになったという側面もあるはずです。 さて、数年前から「 ペップトーク」がスポーツ界で注目されていることをご存じでしょうか。 これは、 本番前に、指導者が選手に対してポジティブな言葉を投げかけるというもの。 たとえば、試合を控えた選手に対して「絶対勝て!」などとプレッシャーをかけるのではなく、「練習どおりにやれば大丈夫だよ」と前向きな言葉を投げかけます。 あるいは、ミスをした選手を叱るのはなく、「次はうまくいくはずだ」と励ますといった手法です。 日本ペップトーク普及協会専務理事の浦上大輔氏は、 多民族国家であるアメリカのチームスポーツが特に強いのは、コーチが選手たちにペップトークを使うことで士気を高めているからだと説きます。 ポジティブな言葉は、チーム全体に一体感をもたらす効果があるのです。 チームメンバーがミスをするような場合もあるでしょう。 そんなときは、イライラや怒りは封印して「今度はうまくできるさ」とフォローしつつ、「〇〇さんが詳しいから、アドバイスをもらえるはず」などと、改善のためのアクションを詳しく指示してみてください。 リーダーに委縮した状態だと、メンバーはなかなか力を発揮できません。 チームを率いるリーダーからかけてもらった前向きで優しい言葉がモチベーションを生み、「リーダーのため、チームのために頑張ろう」という気持ちを起こさせてくれるのではないでしょうか。 *** ラグビー日本代表が大活躍できたのは、優れたヘッドコーチによる工夫が要因です。 今回紹介した手法を使って、ぜひ「ONE TEAM」を作っていきましょう。 (参考) 日本経済新聞| YAHOO! JAPANニュース| J-CAST会社ウォッチ| プレジデント・オンライン| Number Web| NPO法人日本サーバント・リーダーシップ協会|リクナビNEXTジャーナル|YouTube| 東洋経済オンライン| 【ライタープロフィール】 亀谷哲弘 大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。 養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。 今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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